【コラム】海外通信員

点取り屋イカルディ 主将となり守備にも貢献

[ 2018年12月5日 20:10 ]

インテル・ミラノの主将マウロ・イカルディ
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 毎年12月、イタリアプロサッカー選手協会(AIC)主催による前シーズンの優秀選手表彰式が行われる。ベストGK、ベスト11、最優秀監督、そして最優秀選手などが選手投票により選出される。そして2017−18シーズンでは、インテルの主将マウロ・イカルディが選出された。29ゴールを記録してキャリア初の得点王に。優勝したユベントス、2位に食い込んだナポリの選手たちを差し置いて堂々の受賞で、ベストイレブンにも今回初めて選出されていた。

 「あまりにも自分のことが話題になりすぎるけれど、僕自身は自分自身がやっていることに満足している」。25歳の若者だが、インテル所属は今季で6シーズン目。セクシータレントである現妻ワンダ・ナラを巡り、その前夫であるマキシ・ロペスとの確執が話題になったり、サンプドリアやインテルのサポーターとのトラブルが話題になったりなど、ピッチの外の出来事の方で話題になることが多い人物だった。ただ近年は、必要な時に活躍をしてくれる頼もしいリーダーとして成長している。「人格のしっかりした強力な選手で、点取り屋としてスケールの大きい人物だ。必要な時にはかならずその場所にいて、決定的な仕事をしてくれる」と、ルチャーノ・スパレッティ監督は全幅の信頼を寄せている。

 プレースタイルは、典型的な点取り屋だ。相手ゴール前を主戦場とし、ディフェンダーとの駆け引きに多くの時間を費やすタイプだ。そのため良いパスやクロスが来ないと必然的に”消えて“しまいやすいのだが、そのかわりボールがエリアの中に入ってくれば滅法強い。ボールが来るところを信じて詰め、相手との駆け引きに勝ち、ワンタッチで正確なシュートをねじ込む。狭いエリアでボールを操るテクニックに、短い時間で正確なミートができるキックのうまさとパワーを備える。長身のセンターバックが相手でも、ヘディングで頭一つ上に行ける空中戦の強さを持ち合わせている。

 そして今シーズンは、決定的な場面での勝負強さが目立っている。ミラノダービーでのアディショナルタイムで、ウルグアイ代表MFマティアス・ベシーノの上げたクロスに反応し、絶妙のタイミングでDFを振り切って決勝点をヘディングで決めた。0ー1で負けていたCLグループステージ第4節のバルセロナ戦では、これまた終了間際に重いゴール。相手ディフェンダーのトラップミスを狡猾に拾い、群がるDFの当たりを交わしてシュートを右足でねじ込んだ。

 実を言えば、ボールが来ない間も仕事をしていないわけではない。前線では常にDFとの駆け引きに応じ、懸命に縦へのダッシュを繰り返している。そうすることで相手の守備を押し下げ、味方にスペースを作るという、戦術的な働きも地味にこなしているのである。さらにキャプテンマークを巻くようになってからは特に、前線でプレスを掛け守備にも戻るような働きをより勤勉にこなすようになった。長友佑都がインテルにいた時代、戻りきらない味方の代わりに中盤へ走り、サイドバックの守備を助けていたのがイカルディだったということも時々あった。

 7日(日本時間8日)に、インテルはユベントスと対戦する。当然注目されるのは、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドとのストライカー対決だ。前線で幅広く動いてチャンスメイクをし、たくさんのシュートを放ってゴールを稼ぐ相手に対し、イカルディは少ないチャンスを活かす集中力の高さで勝負する。「マウロはクリスティアーノより多くゴールするわ」とワンダ夫人は言うが、その期待通りにCR7越えとなるか。(神尾光臣=イタリア通信員)

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