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イギリス12部クラブのシャツがなぜスペインでバカ売れしているのか?

 イギリス国内のノンリーグ(アマチュアレベル)に所属するクラプトン コミュニティFCのアウェイユニフォームが驚異的な売り上げを記録している。

 クラブ公式サイトによると250枚販売予定だった赤、紫、黄色のデザインが施されたユニフォームはシーズン開幕前に5400枚の注文が入り現在販売中止となっている。

 ちなみに、イギリス二部チャンピオンシップのシーズンのシャツの売り上げが、平均して1万枚程度と言われている。国内大手のメディアも、こぞってこの話題を取り上げており、9月末からの開幕ゲームにも数百名のファンが駆けつけ12部リーグとしては異様な光景となる見込みだ。

 東ロンドンを拠点とするクラブは今年の夏の初めアウェイのユニフォームデザイン案を募集したところ300以上の作品が集まり、その中から16種が選ばれファン投票を行った。そこで一位に選出されたのが、スペイン内戦の際にスペイン共和国政府により編成された外国人義勇兵による部隊のカラーをモチーフとしたデザインであった。

 1936年から1939年にかけてのスペイン内戦時、英国やアイルランドから2500人以上兵士が、フランシスコ・フランコ率いる反乱軍や、ドイツ軍・イタリア軍と戦った。部隊には延べ6万人の男女が参加したが、うち1万人以上が戦死した。

 アウェイのデザインを作ったのはコミュニテイメンバーの一人であるが、自分たちの手で主導権を握り、コミュニティ組織を作り、民主的なスペイン共和国の価値観を地で行きたかったと地元紙のインタビューで語っている。

 ここ数年は英国内でもファンが所有するクラブは増えてきている。それは地元ファンを軽視したオーナーの振る舞いや独裁的な運営に反発したファンたちが、自らの手で運営することを決断しているのだろう。

 クラプトンCFCはファンの共同運営という形をとり、それぞれのファンが同じ割合のシェアと投票権を握り、独自路線を歩むつもりだ。今回のアウェイシャツは、おそらくどのプレミアリーグのアウェイキット発売開始よりも話題を呼ぶことになった。

 ここまで情報が共鳴していった理由としては、欧州各地で極右に対する注目が高まるなかで、国際旅団やスペイン共和国のメッセージ性をデザインに取り込み、コミュニティの存在価値の意思表示できたことにあるかもしれない。

 政治的なメッセージとスポーツは切り離すべきだという意見はよく聞かれるがここまで大きく反ファシズム、反性差別、反差別主義などを掲げているクラブはイギリス国内でも見ることはできない。

 そして、世の中のタイミングと相まって大きなムーブメントを作り出す可能性はあるだろう。イギリス12部リーグに数千人のファンが駆けつけるというニュースが日本に届くかもしれない。(ロンドン通信員=竹山友陽)

[ 2018年9月25日 13:15 ]

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