【コラム】海外通信員

ブラジルはまだまだ才能の宝庫 セレソンが新メンバーで再スタート

18年9月7日国際親善試合で、米国と対戦したブラジル代表
Photo By AP

 今年は、4年に一度ブラジル全土が大いに盛り上がる年だ。オリンピックかW杯か?

 ではない。大統領選挙の年なのだ。ちょうどW杯と同じ年に大統領選挙が行われるのだが、10月の投票に向けて今は連日候補者選びで盛り上がっている。

 そんな中、ロシアW杯後、初めてセレソンがフレンドリーマッチを行った。相手はアメリカ(於ニュージャージー)とエルサルバドル(於ワシントンDC)。国内は大統領選で忙しく、この2試合は舞台がアメリカで、国民の関心はほとんどなかったといって良い程度の試合だった。

 結果は2−0と5−0の快勝となった。ロシアW杯で準優勝だったクロアチアがスペインに6−0完敗したことを考えると、格下相手にウォーミングアップする程度が再起にかける初戦としてはちょうど良かった。

 新生ブラジル代表は、チッチ監督が続行し、ネイマールも引き続き召集された。ロシアW杯でふるわない成績とネガティブイメージを残してしまったネイマールとその仲間達であった。今回、監督は同じで、アリソン、チアーゴ・シウヴァ、フェリッピ・ルイス、カジミーロ、コウチーニョ、ドウグラス・コスタ、ウィリアン、フィルミーノとロシアW杯メンバーから引き続きセレソンに残った選手も多いが、新生セレソンは新たなる化学反応が起きている。

 新時代のスターの出現も好材料だ。エルサルバトル戦で2点をマークした21歳のFWヒシャーリソン(リシャルリソン)。わずか4年ほどで藁(わら)しべ長者の如くスターダムを駆け上がって行っている新星だ。エスピリット・サント州というサッカーの強豪クラブが無い州出身で、16歳でミナス・ジェライス州の中堅クラブ、アメリカの育成部に入った。1年の育成部を経て17歳でプロチームに昇格し、州リーグ、全国リーグ2部を戦った。その活躍が認められ、リオの名門フルミネンセに約3億円で移籍。67試合で19得点をマークし、2タイトルに貢献した。フルミネンセ時代にU−20ブラジル代表に選出され南米大会に出場した。そして、またもわずか1年でフルミネンセを去って、プレミアリーグのワトフォードFCに1250万ユーロ(約16億円)で移籍、ここでも1年で活躍が認められ、今シーズンよりエヴァートンに4000万ポンド(約59億円)で移籍となった。

 身長179センチと上背もそこそこある。体格も良く簡単には倒れない。それでいて、ボールさばきも良く、ドリブル、シュートとブラジル人らしいテクニックを披露する。左右の足を使え、キック力もあり、当たりも強く、スピードがハンパない。極めてインテンシティーが強い選手だ。ゴールに向かって縦の動きが良く、瞬く間にフィニッシュに持ち込む。さらにアシストでチームにも積極的に貢献する。

 そして、リシャルリソンのすごいところは、監督の臨むサッカー、プレミアサッカーのスタイルを理解し実行しているところだ。ブラジルでは数秒とはいえ、試合の中で考える時間がある。しかし、プレミアでは90分間休むこと無く身体を動かし続けなければならないし、フィジカルの強さがものを言う。90分間、ベストコンディションで走り続けられる身体作りをしなければ、プレミアではやっていけない。最後の10分を最初の1分と同じくらい走ることができなければならないということだ。劣勢からでも、最後の1秒まで戦う準備が必要なのだ。リシャルリソンはそれを理解し、実行している。極めてポテンシャルの高いプレーヤーだ。

 しかも、彼には運もついている。今回のフレンドリーマッチで彼は本来召集されていなかったのだが、FWペドロ(フルミネンセ)が怪我で戦線離脱したため代替で呼ばれて、いきなり出場の機会を得たラッキーボーイ。ネイマールだけでは勝てないブラジルに現れた救世主となりそうだ。(大野美夏=サンパウロ通信員)

[ 2018年9月19日 19:30 ]

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