【コラム】岩本輝雄

バランス改善で浦和優勝

[ 2015年6月23日 05:30 ]

 6月20日のJ1第16節、浦和が神戸と1-1で引き分けて、第1ステージ優勝を決めました。2ステージ制に移行した最初の年に、経営規模が一番大きく、観客動員も一番多いJリーグのリーダー的な存在のチームが第1ステージ制。「さすが、浦和」と賞賛したいと思います。

 こういう攻撃的なサッカーで優勝したことは日本サッカーにはいいことですが、それ以上にペトロヴィッチ監督がタイトルを手にしたことがよかったと思います。広島時代から「いいサッカー」と評価されながらなかなかタイトルが取れませんでした。昨季もいいところまで行って、G大阪に逆転されました。いろいろな思いと周囲からのプレッシャーの中で優勝できたことはほんとうに素晴らしいことです。

 いくらいいサッカーをしていても、勝てるとは限りません。守って、蹴って、ウラを狙って点を取って勝てば、「結果を出した」ということになります。プロの世界は勝負が重視されます。勝つことが最優先であることはわかっていますが、これではお客さんも面白くないでしょうし、観客動員は伸びません。浦和のようなチームが勝ったことはいいことだと思います。

 ペトロヴィッチ監督がなかなかタイトルを取れなかったのは、攻撃を重視するあまり、攻守のバランスがよくなかったからでしょう。広島時代から攻めていって、カウンターで攻撃されて失点して負ける試合がけっこうありました。今季はバランスが良くなり、失点しても、2点目を取られないようにしながら、90分トータルで決着を付けようという考え方に替わりました。もともと3バックは強固で、引いた時に崩されるシーンはありませんでした。リードされている時、無理に前に行って、カウンターを受けて失点することがなくなり、これが優勝に結びついたのです。

 こういうサッカーは選手がそろっているからこそできるもので、どこのチームでもできるものではないでしょう。そして、さいたま市に密着している浦和だけに、地域密着を掲げるJリーグにとっても大きなことだと思います。まだまだ完成形ではないでしょうが、第2ステージへ向けてさらに磨きをかけてもらいたいと思います。(岩本輝雄=元日本代表MF)

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