中田浩二氏　3バックで選手の良さうまく引き出せた

W杯北中米大会アジア最終予選Ｃ組   日本7－0中国 （ 2024年9月5日    埼玉スタジアム ）

＜日本・中国＞前半、試合に臨む（左から）、板倉、谷口、鈴木（撮影・西海健太郎）
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　【中田浩二　視点】攻撃的な3バックがうまくはまった。3バックは中盤のサイドに選手を配置するので、ピッチの幅が使える。相手DFの間隔を広げてその間のスペースに入れる。2点目が象徴的で、幅を使って左右に振ると相手DFはボールウオッチャーになることがある。堂安のクロスもよかったが、三笘もいい位置に入って決めた。右サイドは久保と堂安のコンビネーション、左サイドは三笘の個の力で相手の守備を崩すのが狙い。選手の良さがうまく引き出せていた。

　早い時間に先制できたことが快勝につながったが、セットプレーから得点できたのが大きかった。CKからゴール前のマークの外し方、相手のブロックの仕方などがうまくでき、遠藤がフリーで合わせることができた。よく準備されていたプレーだ。最終予選は拮抗（きっこう）した試合が多くなるだけに、大きな武器になる。

　中国が5バックで守備を固めた後半に5得点を奪ったところに進化も見えた。途中出場の伊東や前田が得点したように、選手層が厚くなり、チーム全体にいい刺激を与えている。ただ、まだ1勝しただけ。次戦は長距離移動、時差、暑さなどもある。総合力が問われるが、良いスタートが切れたことは大きいと思う。（元日本代表DF）