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田中も決めた!豪快ミドル「打てば入ると思った」 途中出場でも存在感示した

[ 2022年6月2日 21:32 ]

国際親善試合「キリンチャレンジカップ」   日本4―1パラグアイ ( 2022年6月2日    札幌D )

<日本・パラグアイ>後半、ゴールを決めて喜ぶ田中(左)=撮影・小海途 良幹
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 サッカー日本代表は2日、11月のカタールW杯に向けた強化試合の「国際親善試合」パラグアイ戦に臨み、4-1で勝利した。

 13日間で計4試合が行われる「6月シリーズ」は、カタールW杯を見据える上で非常に重要な試合。その初戦で、田中碧(23=デュッセルドルフ)も存在感を見せた。

 40分に左サイドの鎌田からパスを受けた田中は、ペナルティエリアの外から右足で強烈なミドルシュート。「真ん中でフリー。大地くんからパスくるかな、と。打てば入ると思った」と冷静に振り返った。

 この日は後半17分からの途中出場。「まずはチームが勝つことが一番、そこに力を入れる。プラス、自分の価値を示すことで、結果、ゴールになって良かった」と口にし、「自分が出た試合で勝つこと、そこに加えて何ができるか。ゴールが一番分かりやすいが、それ以外でもできることをやる」と貪欲に話した。

 最終予選初出場となった昨年10月のオーストラリア戦では、代表初ゴールでチームの窮地を救った。最終予選でのデビュー弾は05年2月北朝鮮戦のFW大黒将志以来、史上2人目の快挙。そこから不動のレギュラーへと駆け上がった。

 昨夏、川崎Fからドイツ2部デュッセルドルフに移籍。海外で1シーズンを過ごし、自身にとっての「ゴールへの価値」が、大きく変わった。90分間いかに関わり勝利に導けるかを大事にしてきたが、欧州は「90分間ダメでもゴールを取れば評価される」世界。「(エリア内に)入っていく回数、ゴール前で関与する回数は増やそうと意識している」。日本代表でも、どん欲にゴールに向かった。

 反骨精神の塊だ。川崎Fの下部組織でも、抜群の存在感を誇った三笘らと比べ「まったく上手くなかった。プロになれると思っていなかった」という。だからこそ絶え間ない努力を続けてきた。小1でわずか16回だったリフティングは、わずか1年間で100回できるまでに。幼少期は自身でテーマを決め、1人でコーンドリブル、壁当てにあけくれた。高3で10番を背負ったユース時代も、日々の課題などをサッカーノートに書き記し、1つひとつクリアすることでレベルアップ。トップチーム昇格を勝ち取った。

 プロ入り1年目はケガなどもあり出場なし。悔しさを味わったが、地道に努力を重ね、3年目に不動のレギュラーに成長。4年目の昨季はベストイレブンにも選出されるほどの存在となった。五輪代表でも、初招集は19年6月のトゥーロン国際と“遅咲き”だったが、同年10月のブラジル遠征で、U―23ブラジル代表相手に強烈なミドル2発を決めるなど徐々に頭角を現し、本選メンバー入りもつかみ取った。大会開幕を直前に控えた6月末には、ドイツ2部デュッセルドルフへの移籍を決断。「地に足を付けて歩んでいく人生」。田中らしい決断だった。

 W杯決定直後に元℃―uteメンバーで歌手・モデルとして活動する鈴木愛理(27)との交際が報道され、「僕は今、鈴木愛理さんと交際させていただいています」と堂々と宣言。私生活でも充実した日々を送る。そんな充実ぶりがプレーにも表れた。

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2022年6月2日のニュース