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J2仙台・遠藤“東北人魂”の先制弾!震災復興試合で被災地照らした

[ 2022年3月13日 05:30 ]

明治安田生命J2第4節   仙台3ー0岩手 ( 2022年3月12日    ユアスタ )

前半、ゴール前でボールキープする仙台MF遠藤康(中央)
Photo By 提供写真

 明治安田生命J2リーグは12日に各地で5試合が行われ、仙台は岩手を3―0で下し、ホームでの今季初勝利を挙げた。開幕4戦無敗の勝ち点8で暫定2位に浮上。前半43分にMF遠藤康(33)が先制ゴールを決めた。さらに後半22、25分の追加点の起点となるなど、全3得点に絡む大活躍。「3・11」から11年、震災復興試合と銘打たれた一戦で、仙台市出身のアタッカーが輝きを放った。

 特別な試合で、遠藤が被災地を照らす輝きを放った。前半43分、右サイドでパスを受けると味方とのワンツーを選択。相手DFをはがし、ペナルティーエリア外中央からダイレクトで左足を振り切った。ボールはバーを叩き、そのままゴールネットに吸い込まれた。

 今季2点目は、自身にとってホーム初得点だった。「いい形でボールが入って、いい位置でポストプレーをしてくれた。自分は決めるだけだった」。ホーム初勝利&ホーム1号は、地元出身の技巧派アタッカーによってもたらされた。

 「風化させないことが何よりも大切だと思う」。遠藤は強い思いで“東北ダービー”に臨んでいた。多くの犠牲者を出した東日本大震災から11年。その間、「東北人魂を持つJ選手の会」の一員として、復興に向けた多くの活動に携わった。東北各地でサッカーを通して子供と触れ合い、合間に被災地域に足を運んだ。だからこそ復興が道半ばであることを肌で感じている。

 「忘れちゃいけないし、僕たちがスタジアムでサッカーできるのも普通のことじゃなかった。あの時は試合をできる喜びを感じながらやっていたので、その気持ちを忘れずにやり続けたい」

 生まれ、育ち、高校卒業までを宮城県で過ごした。鹿島で多くのタイトル獲得に貢献し、故郷に戻ってきた千両役者が、今季はJ1復帰を目指すクラブでも希望の光となる。

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2022年3月13日のニュース