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【独占手記】浦和・酒井「いつも通り頼もしかった」レッズの歴史つくった阿部、槙野、宇賀神のために

[ 2021年12月20日 05:30 ]

第101回天皇杯決勝   浦和2―1大分 ( 2021年12月19日    国立 )

<浦和・大分>後半、ドリブルで駆けあがる浦和・酒井(左)(撮影・西海 健太郎)
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 祝天皇杯制覇!今年8月、新戦力の目玉としてフランス1部マルセイユから浦和に加入した日本代表DF酒井宏樹(31)は攻守に別格の存在感を見せ、タイトル獲得の原動力となった。激動のシーズンを振り返り、スポニチ本紙に独占手記を寄せた。

 ACLで優勝するという大きな夢への一歩を踏み出すことができました。やはり決勝は非常にタフな試合でした。後ろの選手としては無失点Vしたかったのが本音ですが、その切符を勝ち取れたことは本当にうれしいです。前半からインテンシティーの高い試合。ウガ(宇賀神)君、槙野君もピッチに入った瞬間からいつも通り頼もしかったです。

 移籍を決める際、ACLで優勝したいと考え、レッズが2度優勝しているというのは大きな要因でした。決めてからは時間さえあれば過去の動画を見ています。レッズの歴史が感じられ、僕にとっては大事なデータになっています。リーグ制覇を決めた06年G大阪戦、07年と17年のACL制覇も印象に残っています。最近だと18年天皇杯決勝ですね。試合前の雰囲気からもうマルセイユのようで日本にもこういうクラブがあるんだと。そういう部分を感じてプレーする事は凄く大事だと思います。最後の1歩、2歩に差が出ます。

 動画を見ていると阿部さん、槙野君、ウガ君の3人がどれだけ多くのものをレッズにささげてきたかが分かります。最後に阿部さんにカップを掲げてもらいたい、自分もその絵を見たいと思ってやってきました。この3人が抜け、不安に思っているサポーターも多いと思います。だからこそ来年もまたスタジアムに足を運んでもらえるような試合、結果を見せたかった。

 今年は9年ぶりにJリーグに復帰し、欧州とどの辺が違うのか?良く聞かれます。答えるのに困る質問で例えるなら日本車とドイツ車とフランス車という感じです。どの国もレベルが高い部分は高い。かと言ってどれが正解かは分かりません。一本の質、強度はドイツやフランスの方が高いですけど、ハードワークの部分やランニングのインテンシティーは日本の方が高いと思います。

 5月に欧州シーズンを終え、その後は東京五輪、W杯予選とも並行して凄い量の試合を戦いました。痛い所はそこら中にあります。階段を下りるのもつらい毎日です。でもそれはみんな一緒。大事なのはサッカーができる痛みなのか、そこは自分で判断します。ケガを我慢してプレーするというのは美談ではない。チームにプラスでなければ意味はない。できない時は悔しいけど人に譲ります。今季に関してはちゃんとしたプレーを出せるコンディションは保てていると思います。

 ロドリゲス監督は凄くリアリストであり、自分の戦術も反映させようという監督です。ただ良い監督だからといって勝たせてくれるわけではない。良い監督だからこそ勝たせてくれる可能性が高くなるのであってやるのは選手自身。来季も責任を持ってやっていきたい。最後に今日のようにホッとできていたらいいなと思います。(浦和レッズDF)

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