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名古屋・柿谷 肋骨にヒビ入りながら闘魂プレー 古巣倒して感じたのは「仲間の素晴らしさ」

[ 2021年10月31日 05:30 ]

ルヴァン杯決勝   名古屋2―0C大阪 ( 2021年10月30日    埼玉 )

<名古屋・C大阪>試合終了後、優勝を喜ぶ名古屋・柿谷(右)(撮影・西海健太郎)
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 決勝が埼玉スタジアムで行われ、名古屋が4年ぶり2度目の頂点を目指したC大阪を2―0で破り、大会初優勝を飾った。0―0で迎えた後半2分、昨季までC大阪に在籍したFW柿谷曜一朗(31)が左CKから決勝点をアシスト。後半34分にダメ押し弾を叩き込んだMF稲垣祥(29)は本紙に独占手記を寄せた。クラブのタイトルは10年のJ1制覇以来11年ぶりで、史上9クラブ目の国内3大タイトル全制覇となった。

 試合終了の瞬間、ベンチから駆けだした。跳ねるようにMF前田と抱き合い、GKランゲラックを中心にできた歓喜の輪へ飛び込んだ。移籍初年度。柿谷がクラブをルヴァン杯初制覇に導く、大仕事をやってのけた。

 「相手がC大阪に決まってから意識しないつもりで過ごしても、頭のどこかでは意識していた。終わってホッとしているというのと、僕が認めている凄い選手たちと試合ができたことが良かった」

 4歳から育ててもらった古巣とタイトルを懸けた一戦。「ぶっちゃけ、試合をしたくないと思っていた」と複雑な心境も吐露した。それでも後半2分、相馬のCKをニアで触ってコースを変え、前田の先制点をアシスト。プロとしての私情を封印し、後半28分まで走り続けた。ベンチに下がってもユニホーム姿のままピッチ内の選手に声を掛け続けた。

 満身創痍(そうい)だった。ルヴァン杯準々決勝・鹿島戦(9月5日)で脇腹を痛めて交代。関係者によると、肋骨にヒビが入っていたという。リーグFC東京戦(同22日)で復帰したが、完治したわけではなかった。その中でルヴァン杯準決勝第1戦・FC東京戦(10月6日)では貴重な先制点。痛みを隠しながら戦い抜いた。

 C大阪からの移籍を決断したのは「自分の中で大事にしてきたものが少しずつ崩れてきて…。最後は自分が崩れてしまった」から。エースナンバーの8を背負いながら出番は激減。自身やクラブを取り巻くプレー面以外で生じた理想と現実の乖離(かいり)は、サッカーをしている意味を見いだせなくさせた。もう一度、純粋にサッカーと向き合いたい――。その気持ちが21年の原動力だった。

 C大阪在籍時の17年以来自身2度目の同杯優勝。試合後、かつての仲間から祝福を受けた。「自分がその立場だったら言えるかな。タイトルは素晴らしいけど、今までやってきた仲間の素晴らしいところも見られた」。やっと柿谷の顔に笑みが広がった。

 《稲垣がダメ押しの追加点「間違いなくナンバーワン」》
 背番号15が勝負を決めた。1―0の後半34分、こぼれ球に反応したMF稲垣がダメ押しの追加点。「打つ瞬間は冷静に叩きつけられた。タイトルを決定づける得点。間違いなく(過去)ナンバーワンです」。得点後はいち目散にサポーター席に駆け寄り、喜びを爆発させた。準決勝・FC東京戦の第2戦では敗戦濃厚な中で値千金の1得点を挙げるなどボランチながら5試合4得点。得点王とMVPをダブル受賞するなど、まさに稲垣のための大会になった。

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