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三菱重工浦和 WEリーグ開幕戦で逆転勝利!東京五輪代表MF塩越が決勝弾「感動プレーをもっと」

[ 2021年9月13日 05:30 ]

WEリーグ第1節   三菱重工浦和2―1日テレ東京V ( 2021年9月12日    味フィ西 )

<日テレ東京V・三菱重工浦和>後半43分、ゴールを決め喜ぶ三菱重工浦和・塩越(右)(撮影・西海健太郎)
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 日本初の女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」が12日、開幕した。各地で第1節の5試合が行われ、昨季なでしこリーグ女王の三菱重工浦和は、昨季皇后杯覇者の日テレ東京Vに2―1で逆転勝ち。1―1の後半43分に東京五輪代表MF塩越柚歩(23)が決勝弾を決めた。昨季までのアマチュアリーグから初のプロリーグとなり、新時代の一歩を力強く踏み出した。

 劇的な逆転劇で、三菱重工浦和が歴史的な1勝を挙げた。楠瀬直木監督(57)は「今日は勝ち負けより、いいゲームができたらと選手と話していたのでね。運良く勝たせてもらったが、いい試合ができたのではないか」。日本女子サッカーの未来を占う開幕戦。勝利はもちろん、好ゲームを展開できたことに表情を緩めた。

 白熱のゲームに会場がくぎ付けとなった。1点を追う後半4分に東京五輪代表FW菅沢が右足ボレーで同点。手に汗握る攻防が続いた終了間際に、塩越が「思い切り打つだけでした」と、ゴール前のこぼれ球を右足で突き刺した。値千金の決勝弾の瞬間、アウェーにもかかわらず2427人の観衆から惜しみない拍手が鳴り響いた。

 昨季までのなでしこリーグはアマチュアだった。プロ契約は一握り。仕事や学業と両立させてきた選手が多いが、プロ契約となり選手はより競技に集中できるようになった。浦和では練習場が人工芝から天然芝となり、練習は午後から午前に変更。午後は自主トレーニングなどができ、間違いなく選手レベル向上の一助となった。

 だが、新リーグは逆風の中で迎えた。火付け役として期待されたなでしこジャパンは東京五輪で8強止まり。さらに、新型コロナウイルス禍の影響で観客数も大きく制限された中でスタートした。それでも、指揮官は「人任せではなく自分たちで着実にやっていくしかない」と、自覚しているからこそ試合内容にこだわった。

 この日、スタンドには少女たちの姿もあった。女子サッカーが「職業」となったことで、子供たちに夢を与えられるようになったが塩越は言う。「ピッチではいいプレー、感動するプレーをもっと続けていかないといけない」。女子サッカーの新たな挑戦が始まった。

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2021年9月13日のニュース