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セルティック古橋 宿敵レンジャーズ敵地でブーイングの“洗礼” ダービー敗戦で見えた収穫と課題

[ 2021年8月29日 22:15 ]

セルティックの日本代表FW古橋(ロイター)

 スコットランド・プレミアリーグ第4節、日本代表FW古橋亨梧(26)が所属するセルティックは敵地で昨季王者のレンジャーズに0―1で敗れ今季2敗目を喫した。新加入の古橋は公式戦8試合連続の先発出場を飾り、鋭い動き出しから決定機を演出したが無念の零敗。人種差別を受けたライバルチームのサポーターから今度はブーイングを浴びるなど“洗礼”を受けたが、収穫と課題の見えた一戦となった。

 ともにグラスゴーに本拠地を置くチーム同士の対戦は“オールドファーム・ダービー”と呼ばれ同国最大の一戦として注目を集める。セルティックが51回、レンジャーズが最多55回の優勝を誇るなど、この両チームがスコットランド1部の優勝回数をほぼ独占。過去30年を振り返ってもどちらかのチームが必ず優勝。セルティックは11―12シーズンから9連覇を達成したが昨季、ジェラード監督に率いられたレンジャーズが無敗優勝を飾りライバルの連覇を阻止した。

 リーグ序盤戦ながら優勝を占う大一番でも先発した古橋は、4―3―3の左FWに入ってプレー。前半20分には右からのクロスボールがファーサイドに流れてきたところをコントロールし、右足で巻き込むようなシュートを狙うが枠を捉えられず。同25分には味方のスルーパスから相手DFラインの裏を取り、ゴール前でマイナス方向にグラウンダーのパス。しかしゴール正面で蹴り込むだけだったFWエドゥアールが痛恨のシュートミス。右足インサイドで丁寧に押し込むつもりが右足のかかと付近にボールが当たってしまい、シュートは大きく枠をそれた。

 0―0のまま後半へ入るとセットプレーから失点。後半21分、右コーナーキックからスウェーデン代表DFヘランデルに頭で決められ先制を許した。前半左サイドに張り付いていた古橋はFWエドゥアールがベンチへと下がると、1トップに入り中央でプレー。すると失点直後の同23分、相手DFラインの裏へ走り込み、スルーパスを受けようとするも飛び出してきたGKに防がれシュートは打てず。

 後半40分にも巧みな動き出しから相手DFラインの裏を取り右足でシュートを狙うも、相手GKのファインセーブによりゴールならず。直後にも同じようにDFラインの裏を取りシュートチャンスを得たが、今度は味方へマイナス方向のパス。しかしこのボールは味方に合わずクリアされてしまい、フル出場を果たすも0―1のまま試合終了。

 古橋は敵地でブーイングを受けるなどレンジャーズにとって“危険な存在”として再認識されたがゴールには絡めず。裏への抜け出しは何度も相手に脅威を与えた一方、味方との連携がなかなか上手くいかず。得意のドリブル突破もマッチアップした相手右SBのナイジェリア代表DFバログンに封じられるなど収穫と課題がはっきり見えた試合となった。

 ≪レンジャーズサポーターが人種差別投稿≫スコットランド・プレミアリーグ第3節、レンジャーズがロス・カウンティ戦勝利後にサポーターたちが29日に対戦を控える“ライバル”セルティックで出色の活躍を見せる古橋に対し差別的な歌をSNSに投稿。この件が問題となり、レンジャーズは当該サポーターやサポーターズクラブの無期限入場禁止を発表。さらに英BBC放送(電子版)が差別的な歌を“主導した”とされる26歳と30歳の男性が逮捕されたと報じるなど、大きな波紋を広げていた。

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2021年8月29日のニュース