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森保監督“精神力采配”裏目に、3位逃すも「努力はメダルに値する」

[ 2021年8月7日 05:30 ]

東京五輪第15日 サッカー男子3位決定戦   日本1―3メキシコ ( 2021年8月6日    埼玉 )

<日本・メキシコ>試合終了間際、大きな声で指示を出す森保監督
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 史上最強と名高い22人でも、メダルに届かなかった。終了の笛が3年10カ月の活動の終わりを告げた。いつもと変わらずスタッフとグータッチした森保監督は、選手を誇った。

 「五輪を目指して育成年代から頑張って成長してくれた。それを見て、幸せで充実した時間を過ごさせてもらった。これまでの努力は、メダルに値する価値があると思っている。選手たちの五輪に向けた努力は、1ミリも疑いの余地はない」

 1次リーグは3戦全勝とあった勢いも、中2日の6試合目ではなかった。全試合に先発した6人のうちの一人、遠藤が不安定で、前半の2失点に絡んだ。後半13分にCKからまた失点。満身創痍(そうい)の中でも選手の精神力を信じた采配は、表裏一体で裏目に出た。

 大会前、森保監督は1次リーグの組み合わせを見て、OA枠をFWではなくDF吉田、酒井、MF遠藤とした。結果、守備は準決勝までの5試合で2失点と安定した一方、決勝トーナメント以降の得点は、三笘の1点にとどまった。

 ただ、敗因はそんな単純なバランスだけではない。MF田中は言った。「世界は遠い。僕らはサッカーを知らなすぎる。彼らはサッカーをしているけど、僕らは1対1をし続けている」。欧州組が大半となり、個の力は縮まっても、戦況を読む力にたけたメキシコのしたたかさの前では子供のようだった。

 17年10月。森保監督は就任会見で「メダル獲得」を掲げた。選手時代の93年にW杯初出場を逃す「ドーハの悲劇」を経験。「あれ以上に悲しい思いをすることはない」という体験から学んだのは、どん底からでも人生は続くということだった。

 五輪との兼任体制は終わり、来月からはW杯アジア最終予選が待つ。「五輪の全ての経験は血となり肉となり今後の成長につながる」と指揮官。また、前を向いて指揮を執る。

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2021年8月7日のニュース