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マンU 本拠“夢の劇場”で暴動、サポ200人ピッチ乱入 試合延期

[ 2021年5月4日 05:30 ]

発煙筒を持って抗議するマンチェスターUのサポーター(AP)
Photo By AP

 プレミアリーグで2日、マンチェスター・ユナイテッドのファンがホームで予定されていたリバプール戦の前に競技場に乱入する騒動を起こし、試合が延期された。欧州の有力12クラブによるスーパーリーグ(SL)参加に合意したことで米国人オーナーのグレーザー家に辞任を求める動きが過激化。クラブの歴史に汚点を残した。

 「夢の劇場」と呼ばれるオールド・トラフォードが悪夢の舞台と化した。無観客で予定されていた中、競技場外でオーナー一族の辞任を求めていた1000人以上のファンの中から一部が暴走。警官隊ともみ合いになった末に約200人が競技場に侵入すると、ピッチ上になだれ込んだ。

 英メディアで報じられた動画では、乱入したファンは発煙筒や抜き取ったコーナーフラッグを手にピッチを縦断。芝の上でドリブルやパス交換する姿も見られた。記念に自撮りするのどかな姿もあったが一方で警官2人が負傷。マンU滞在ホテルにも約200人が集まってバス移動が阻まれ、開始が遅れた試合は最終的に安全面の理由で延期が決まった。

 05年にマンUを買収したグレーザー一族には当初からファンが反発。長年にわたってため込んでいた不満がSL参加で爆発し、クラブが撤退を表明して謝罪した後も辞任要求という形で続いている。

 一夜明けた3日にはクレバリー英国務相が「看過できない」とファンの暴走を非難したが、同時に「ファンの不満を理解する必要もある」と発言。クラブOBのガリー・ネビル氏も「(SLに合意した)行動の結果」とグレーザー一族を突き放し「今、売れば利益を得られる。適切な時期で称賛に値する」とクラブ売却を勧めた。

 「ナショナル・ダービー」と呼ばれる名門対決。今回は2位マンUが敗れれば、マンチェスター・シティー優勝が決まる注目の状況で騒動が世界に発信された。SL余波は簡単に収まりそうにない。

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