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東日本大震災から10年 カズが思い語る「みんなのためにプレーすることに価値がある」

[ 2021年3月2日 05:30 ]

11年のチャリティーマッチでゴールを決めカズダンスを踊る
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 横浜FCのFW三浦知良(54)が1日、オンライン取材に応じ、発生から10年の節目を迎える東日本大震災について言及した。一人のアスリートとして、エンターテインメントの持つ力や誰かのためにプレーすることの価値を学んだ10年間だったことを明かした。3日はルヴァン杯の柏戦。54歳での公式戦初出場に期待は高まる。

 伝説の「カズダンス」から、もう10年がたつ。被災地には今も3・11東日本大震災の爪痕が残り、未曽有の悲劇を日本中が忘れることはない。そして今、終わりの見えない新型コロナとの闘い。カズは一人のアスリートとして言った。

 「自分たちの価値観が問われ、考えさせられる日々を送った思い出がある。そんな中でチャリティーマッチで決めた得点を被災地の方が喜んでくれて…自分にも大きな1点。ゴールにはあんな力があるのかと、思い知らされた」

 11年3月29日の東日本大震災チャリティーマッチ。日本中の期待を背負い、ゴールを決め、ダンスを踊った。被災地の感情を考え、ステップを踏む直前まで踊ることの是非に悩んだが、杞憂(きゆう)だったという。被災地からは感謝の声が届き、自身も勇気をもらった。

 「今回のコロナ禍もそう。エンターテインメントの力は必ず必要になる。みんなのためにプレーすることは価値があると身をもって体験した。常にプレーできる喜びを10年で教わりました。コロナ禍が落ち着いたら被災地に行って、サッカーをしたいと思います」

 明日、ルヴァン杯が行われる。ベンチ外だったリーグ開幕戦は札幌に1―5と大敗した。「出てない選手は試合に飢え、ウズウズしている。1―5を覆すような試合をやってリーグ戦につなげたい」。震災から10年、コロナとの闘いも続く。再び伝説のダンスを――。カズはサッカーを通じ、再び日本中にエールを送る。

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