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三笘 城氏と対談、川崎F4冠&代表初選出へ意気込む 2年目はヘッドでも得点量産「意外とバネある」

[ 2021年2月26日 05:30 ]

明治安田生命J1開幕戦   川崎F―横浜 ( 2021年2月26日    等々力 )

川崎FのMF三笘

 明治安田生命Jリーグは26日、J1の川崎F―横浜で開幕する。今季最も注目度の高い選手が、昨季リーグと天皇杯の2冠を達成した川崎FでMVP級の活躍を見せたMF三笘薫(23)だ。昨季は新人最多タイ記録の13得点、リーグ最多12アシストでベストイレブン。東京五輪を控え、世界も注目する日本屈指のドリブラーのプロ2年目に懸ける思いに、スポニチ本紙評論家で元日本代表FWの城彰二氏(45)が紙上対談で迫った。

 ◆城 昨年、1年目からスタメンを奪取できた秘けつは?

 ▽三笘 シーズンを通して見れば、途中出場が多かった。正直、まだポジションを奪えたとは思っていません。川崎Fはチーム内競争も激しいですし、練習の質も本当に高い。昨年はその中で必死にアピールし、徐々に結果を出せたことが、終盤でのスタメン起用につながったと思っています。

 ◆城 ゴール感覚が素晴らしい。意識している点は?

 ▽三笘 チームメートのパスやアイデアに助けられている面は多々あります。ただ自分の動きだしでパスを引き出せる部分もある。ボールを持ったら、ドリブルとパスを交ぜながら相手に的を絞らせない。そうすれば、おのずとフリーの状況も生まれてくる。そういったプレーは意識しています。

 ◆城 激しいマークにもドリブル突破が際立っています。意識して取り組んでいる部分は? 

 ▽三笘 味方のサポート状況、対峙(たいじ)する相手の特徴によって判断を変えている部分はあります。まずは前を向いてフリーでパスを受けられる位置を取る。そしてボールを持ったら状況に応じてドリブルかパスかベストの選択をするようには意識しています。

 ◆城 ヘッドダウンせず周りを見ながらドリブルするコツは?

 ▽三笘 小さい頃からドリブルの練習をすれば技術は身に付くと思います。技術を磨けば、あまり下を見ないでも自然とドリブルができるようになる。小さい頃からの積み重ねだと思います。

 ◆城 ドリブル以外に「実は得意なんです!」というプレーはある?

 ▽三笘 意外に高さに加えバネもあると思っているので、ヘディングです。頭ではまだ1点しか決めてないですけど、そこはもっと生かせると思っています。

 ◆城 昨季限りで引退した中村憲剛さんから学んだことは?

 ▽三笘 プレー一つ一つへのこだわり、試合への準備、ファン・サポーターを大事にすること…。本当にいろんなことを学びました。味方を最大限に生かすことで、自分自身も生きてくる。そのことを教えてくれたのも憲剛さんでした。

 ◆城 マークもさらに厳しくなる2年目。ビジョンなど最後に今季への意気込みを聞かせてください。

 ▽三笘 周りからは昨年以上の活躍を期待されていると思います。その中でチームの勝利に貢献できるようなプレーを毎試合続けていくこと。あとはACLにも初めて出場するので、今までと違った世界を肌で感じたい。小さい頃からの目標だった日本代表にも選ばれるように頑張っていきたいです。

 ◇三笘 薫(みとま・かおる)1997年(平9)5月20日生まれ、神奈川県川崎市出身の23歳。6歳時にさぎぬまSCでサッカーを始め、小3で川崎Fの下部組織入り。ユースまでプレーし、筑波大に進学。17~19年に3年連続で関東大学1部リーグのベストイレブン。17年に川崎Fの特別指定選手となり、昨季は13得点12アシストでベストイレブン。1メートル78、72キロ。利き足は右。

 ◇城 彰二(じょう・しょうじ)1975年(昭50)6月17日生まれ、北海道室蘭市出身の45歳。鹿児島実から94年に市原(現J2千葉)に加入。横浜を経て00年にスペイン1部バリャドリード移籍。横浜復帰後、神戸を経て06年に横浜FCで現役引退。日本代表では96年アトランタ五輪、98年W杯フランス大会に出場。Jリーグ通算381試合139得点。国際Aマッチ通算35試合7得点。

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