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鹿島・曽ケ端 同僚に「パパのよう」と慕われ、尊敬され、いじられる存在

[ 2020年12月25日 05:30 ]

18年にはACLを制して歓喜の表情を浮かべる鹿島イレブン(撮影・西尾大助)
Photo By スポニチ

 【記者フリートーク】どうぞ、と艶やかなイチゴを差し出してくれた。ある日の練習後のこと。鹿島・曽ケ端は毎年、知人の育てたイチゴをスタッフに差し入れしている。遠くから物欲しげに見ていた視線に気付いたのか、振る舞ってくれた。練習場に通う間隔が空けば「来ないじゃないですか」。担当を外れた後に行けば「裏切り者」。記者までもよく見て、温かく声を掛けてくれた。

 16年10月から20年元日まで鹿島担当を務めたが、練習に参加していなかった日は、記憶する限り1日しかない。番記者になりたての頃、曽ケ端が嫌うという言葉を他社の先輩から聞いた。再三シュートを防いだ時に使う「当たってますね」という言葉だ。まぐれで出せる結果などない。日々の努力をいかに大切にしているか。決して言えない言葉であると、すぐに分かった。

 同僚からは「パパのよう」と慕われ、40歳の誕生日にはプロ1年目の選手からも水を浴びせられていた。尊敬され、いじられる、まれな存在だった。練習場に曽ケ端がいなくなる。その喪失感は、いかほどのものか。(サッカー担当・波多野詩菜)

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2020年12月25日のニュース