なぜ柿谷は移籍を決断したのか エースナンバー背負うプライドと出番が減った現状とのギャップに葛藤

[ 2020年12月25日 05:30 ]

C大阪から名古屋へ移籍する柿谷(撮影・坂田 高浩)

 C大阪は24日、元日本代表FW柿谷曜一朗(30)が名古屋へ完全移籍すると発表した。近年は出場機会が減少し、今季はベンチ外となることも多かった中、活躍の場を新天地に求めた。森島寛晃、香川真司らクラブのエースナンバーである背番号8を背負う選手が国内移籍をするのは、史上初。苦渋の決断に至った理由に迫った。

 【記者の目】柿谷の流出を、C大阪は何もせず見守っていた訳ではない。今季の成績、そしてコロナ禍で経営がひっ迫する中、契約延長オファーの提示額は現状からの大幅な減俸だったと聞く。ただ、いわゆる“戦力外”の契約満了ではなく、可能な限りの額を提示したのは最大限の誠意だった。

 一方、名古屋はC大阪を大きく上回る好条件を出していたという。プロにとって年俸こそが評価される数字であり、重要な意味を持つ。名古屋からの熱意や提示が、柿谷が移籍する理由の一つとなったことは間違いない。ただ、それだけではないとも思っている。

 現社長の森島寛晃に憧れ、13年から背番号8を背負い、同年はJ1で21得点を積み上げた。周りが思う以上にクラブと「8」への愛着を持ち、18年夏にG大阪からオファーが届いた際には「99%でガンバに行く」と幹部が諦めながらも、最後は残留へと翻意した。その中で徐々に出番が減り、今季は先発出場が6試合のみ。「(背番号8のプライドが)めちゃくちゃあるし、自分が主役じゃなかったら嫌」とも語ってきた柿谷にとって、背番号に見合った仕事ができない現状と自分自身には葛藤があったはずだ。

 今回の決断の裏側には「C大阪の柿谷」から「サッカー選手の柿谷」として再出発する覚悟が感じられる。新天地で、もう一花も二花も咲かせてくれることを期待している。(C大阪担当・西海 康平)

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