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【川本治 視点】リバプール南野 “代表に生きる”自然な攻守切り替え&トップ下よりワイド適性

[ 2020年12月21日 05:30 ]

プレミアリーグ   リバプール7―0クリスタルパレス ( 2020年12月19日 )

<リバプール・クリスタルパレス>前半、初ゴールを決め、雄叫びを上げるリバプールの南野(AP)
Photo By AP

 リバプールの日本代表FW南野拓実(25)が19日のクリスタルパレス戦でプレミアリーグ初ゴールを挙げた。フル出場し、前半3分に先制点となる待望の一発。スポニチ本紙評論家の川本治氏(68=元ジェフ市原強化部長)が、チームの中で機能した背景を読み解いた。

 得点の場面はシュートの前のフェイントが全てだった。少し浮かし気味でコントロールし、うまくフィットした。もちろん、ゴールを奪ったことが一番良かった。だが、全体のゲームの中で守備の意識が高まっていることも非常に良かったと思う。役割が整理されている印象があった。

 チームがボールを失ったらディフェンスに入る。マイボールになったらとにかく前に出ていく。その繰り返しの中で、南野はしっかりと機能している。そうしないと試合に出られないことが身に付いている。攻から守への切り替えが自然にできていることは、日本代表にとっても良いことだ。特にアジアよりも高いレベルの相手との対戦となれば、攻撃選手の守備意識は重要となる。

 日本代表ではトップ下を務めているが、4―3―3の左ワイドに入った。後半15分頃のビッグチャンスでも左からペナルティーエリアに流れて縦パスをもらい、ファーストタッチでうまくコントロールしていた。外から中に入りパスを受ける形は何度か見られた。

 トップ下はどちらからもプレッシャーが来るので、視野が狭まる。一方、ワイドの位置は背後のケアがあまり必要ではなく、全体が見えて試合の流れが把握できる。トップ下よりもワイドの方が、南野にとってはやりやすいのではないか。

 今後、相手が変わっても、周りの選手が変わっても、同じようにいいパフォーマンスを続けていけば、チームメートや指揮官からさらに信頼を得られる。その意味でも、次の試合はこの試合以上に重要となるだろう。 (元ジェフ市原強化部長)

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2020年12月21日のニュース