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“J最高のゴールゲッター”佐藤寿人引退 リーグ最多220得点残し…20日ラストマッチ

[ 2020年12月20日 05:30 ]

06年にコーナーフラッグにキスする佐藤寿人
Photo By スポニチ

 J2千葉の元日本代表FW佐藤寿人(38)が19日、今季限りでの現役引退を発表した。21年間プレーし歴代2位のJ1通算161得点、同最多のJリーグ通算220得点をマーク。広島を3度の優勝に導いた小さなエースは、在籍した全5クラブと周囲の人々に感謝の言葉をつづった。20日のホーム北九州戦が引退試合になる見通しで、セレモニーも予定される。近日中には引退会見も開く。

 Jリーグの歴史に残るストライカーがシーズン最終戦の前日、原点の千葉でユニホームを脱ぐ決断を下した。佐藤寿は21年間のプロ生活を「カズさんとゴンさんのプレーに目を輝かせ、たくさんの夢を与えてくれたJリーグの舞台で長い時間プレーできたこと、とても幸せな時間でした」と振り返った。

 双子の兄、勇人とともに市原(現千葉)でプロ入り。J2の仙台でレギュラーをつかむと、05年に移籍した広島で才能が開花した。06年4月に試合開始8秒で決めたゴールに象徴されるように、守備ライン裏への絶妙な飛び出しで得点を量産した。Jリーグ通算220得点、ルヴァン杯通算29得点はともに歴代最多だ。自身の武器を生かすため、キャリアを重ねてからは相手に引っ張られないようにどれだけ寒くてもユニホームは常に半袖。不必要な接触は避け、フェアプレー賞に個人最多の3度選出された。

 日本代表の当落線上にいた07年、広島はJ2に降格した。他のJ1クラブからオファーもあった中で、主力で誰よりも早く残留を表明。1年でのJ1復帰に貢献した。12年に22得点の活躍でリーグ初優勝を果たし、得点王とMVPを獲得。13、15年とチームを3度の優勝へ導いた。カープなど他の地元アスリートと交流を深めるなど広島を愛し、愛される存在だった。

 コメントでは各クラブの思い出や、スタッフや裏方、スポンサー、チームメートなど支えられた人を挙げつつ「全ての人に感謝しています」と謝意。文末には「丈夫に産んでくれた尊敬する両親。最高の兄貴で最高のライバルである勇人。いつも笑ってくれた妻と3人の子供たち、ありがとう」と結んだ。

 誰からも好かれる男は20日、ホームのサポーターに見守られユニホームを脱ぐ。

 ◆佐藤 寿人(さとう・ひさと)1982年(昭57)3月12日生まれ、埼玉県出身の38歳。市原(現千葉)下部組織から00年トップチーム昇格。C大阪、仙台と移籍し、広島で3度の優勝を経験。名古屋を経て19年に千葉に復帰した。J通算559試合220得点、日本代表通算31試合4得点。1メートル70、65キロ。利き足は左。家族は妻と3男。双子の兄、勇人はJ2千葉クラブユナイテッドオフィサー。

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2020年12月20日のニュース