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神戸 ACL決勝進出ならず、VAR判定に翻ろう…119分力尽く

[ 2020年12月14日 05:30 ]

ACL準決勝   神戸(日本)1―2蔚山(韓国) ( 2020年12月13日    カタール・ドーハ )

延長戦の末、蔚山に競り負け、肩を落とす神戸イレブン(AP)
Photo By AP

 準決勝が13日に行われ、日本勢で唯一勝ち上がっていた神戸は蔚山(韓国)と対戦し、延長戦の末に1―2で敗れた。右太腿上部を痛めていた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(36)はベンチ外。今大会初めて大黒柱を欠いた中、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)導入によって覆った判定にも苦しめられ、4強で姿を消した。

 2試合連続延長戦の末、神戸が力尽きた。1―1で迎えた延長後半14分、ペナルティーエリア内でボールをつかみ損ねたGK前川が蔚山FWジュニオールネグランを倒して、PKを献上。前川は反応したものの、届かなかった。PK戦に入る直前の出来事だった。

 「アジアNo・1というクラブの目標がある中、優勝はできなかったけど、そこにチャレンジする過程は素晴らしいものがあった」

 三浦監督は過密日程を戦い抜いた選手たちを称えた。右太腿上部に負傷を抱えるイニエスタが今大会初めてベンチ外となったが、後半7分のCK。代わりにキャプテンマークを巻いた元日本代表MF山口が、右足で先制点を決める。中2日の過密日程でも全員が高い集中力を保っていたが、VARによって2度覆った判定が試合の流れを大きく変えた。

 1―0の後半30分、MF安井のボール奪取からショートカウンターに出ると、最後はMF佐々木がネットを揺らす。だが、これがVAR判定で安井のファウルを取られて取り消しに。一方で同36分には、オフサイドで取り消されたはずの蔚山の得点が、今度はVARによってゴールと認められ追いつかれた。

 微妙なジャッジに苦しめられ、後味の悪さが残る敗戦。それでも、元日本代表DF酒井は力負けを認めた。

 「世界のルールが変わってきた中(VARが)確かにあった事実を見ているのであれば仕方ない。相手に多くのチャンスがあった中で助かった自分たちもいたし、逆に決めないといけないシーンもあった。全部含めて、今日の結果だと思う」

 山口は「持てる力は全て出した。ここ(準決勝)まで来られたことを誇りに思っている」と誇った。アジア制覇という目標は達成できなかったが、足跡はしっかりと残した。

 《三浦監督、今季で退任か》神戸は主要タイトルにおいて今季の無冠が確定。リーグ戦でも12位と低迷している中、複数の関係者によると、三浦監督が今季限りで退任する可能性があるという。同監督は18年2月、神戸のスポーツダイレクターに就任。今年9月に解任されたフィンク監督の後任で現職に就いた。

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2020年12月14日のニュース