J1鳥栖 竹原社長辞任へ「それが生き延びる道だからです」…今期赤字10億円、債務超過転落

[ 2020年11月21日 05:30 ]

オンラインによるサポーターミーティングに出席した竹原社長(右)
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 経営危機に陥っているJ1鳥栖は20日、公式ホームページ(HP)で「現状の経営状況」を竹原稔社長の署名で掲載。その中で「サガン鳥栖の未来を護るために、私の辞任を含めて検討しております。それがサガン鳥栖の生き延びる道だからです」(原文ママ)と記した。

 12日にオンラインで行ったサポーターミーティングで竹原社長は「私自身の進退も含め次のステップへ考えなければいけない」と発言。その一方で、「辞めることでスポンサーがたくさん入ってくるなら辞めるが、次の社長も決まっていない」と続投にも含みを持たせていたが、この日のHP掲載文では続投意思を表す言葉はなかった。

 同HPではクラブの危機的な財務に言及した。「約10億円の赤字の見通しで、約10億円の債務超過として決算を報告する事になります。サガン・ドリームスにとっても、J1昇格以来、初めて負債総額が資産総額を上回る状態となります」と、今年度末で債務超過が確実となったことを認めた。

 鳥栖は大口スポンサーの撤退などで、2019年度決算で20億円超、2018年度決算で約6億円の赤字。3年連続赤字で合計約36億円という膨大な損失を計上。昨年度までは増資で債務超過を回避してきた。

 Jリーグは従来、債務超過または3期(3年)連続の赤字でライセンスを取り消してきた。この規定のままであれば、鳥栖はライセンス不交付となる条件を同時に2つとも満たしたことになる。しかし、今年度と2021年度についてはコロナ禍を考慮し、ライセンス取り消しを見送る「特例措置」が決定している。

 3期連続赤字ルールについては、この特例措置により2021年度以前はノーカウントとされ、22年度が「1期目」としてカウントされる。債務超過ルールについても緩和され、23年度までは債務超過でもライセンスは発行される。24年度決算からは従来通り、単年度の債務超過で不発行の対象となる予定だ。この緊急救済措置で、鳥栖には来季もJ1ライセンスが発行される見込みだ。しかし、残された時間は少ない。緩和期間内であっても、前年度より債務超過額が増えた場合は不発行の対象となるためだ。

 鳥栖は、少なくとも23年度決算で黒字を計上するか、増資するかで、22年度との比較で債務超過を減少させることが、存続への必須条件となる。さらに24年度末までに10億円の債務超過総額を解消しなければライセンスは発行されず「クラブ解散」となる可能性がある。

 新たな増資引き受け先がなかったと仮定した場合、債務超過解消のためには単純計算で来年度(2021年度)から24年度まで、年平均2億5000万円の黒字決算が必要となる。つまり増収、コストダウンで営業黒字を確保することはちろんのこと、現実的には大規模な増資引き受け先がなければ巨額の債務超過解消は厳しい状況だ。ハードルは非常に高い。

 同HPでは「こうした状況を招いた経営責任を私自身、深刻に受け止めております」と竹原社長の経営責任に言及した。その上で「今回、融資によって、当面の資金繰りは何とかつないでおります」「来期ユニフォームスポンサーが獲得できない、無観客試合など開催が続き興行収入が見込めない場合は、資金難に陥り存続の危機を迎えてしまうことになります」(原文ママ)としている。

 さらに「サポーターの皆様、スポンサーの皆様、行政の皆様のご協力が不可欠になります」とした。

 懸案だった今季残り試合のユニフォーム新スポンサーを獲得したことも発表された。12日のサポーターミーティングで発表した「木村情報技術株式会社」のほかに「株式会社関家具様、双日株式会社様、双日商業開発株式会社様が2020シーズン残りの試合をユニフォームスポンサーとしてご協賛頂けることになりました」と報告した。

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2020年11月21日のニュース