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ルヴァン杯決勝延期…集団感染の柏、スタッフルームの“狭さ”が原因か

[ 2020年11月5日 00:55 ]

柏のネルシーニョ監督
Photo By スポニチ

 Jリーグは4日、7日開催のルヴァン杯決勝(柏―FC東京、国立競技場)の延期を発表した。柏のネルシーニョ監督(70)を含む3人の陽性判定を受けて3日に選手、スタッフ82人に対してPCR検査を実施。新たに選手2人、スタッフ8人の陽性が確認され、計13人の集団感染(クラスター)となったため。

 午後10時半から始まった緊急オンライン会見。柏の滝川龍一郎代表取締役社長(56)の説明によると、この日に新たに陽性判定を受けた10人のうち5人が無症状。5人がいずれも3日以降に発熱の症状を訴え、1人は39度を超える発熱で5日に千葉県内の病院に入院するという。滝川代表は「通常、考え得る対策をしっかりやってきた。選手、スタッフも乗っ取って動いてくれていた」と肩を落とした。

 トップチームのスタッフから計10人の陽性が確認された。要因の1つとして考えられるのが、クラブハウス内のスタッフルームだという。換気対策などは講じてきたというが、保健所からは部屋の狭さを指摘されたという。あくまで断定はできないが、滝川社長も「スタッフの部屋が狭いので、それが考えられる1つの原因かもしれない」と悔やんだ。

 これまで、柏は独自で厳しい感染対策を講じてきた。リーグ再開を前に対外試合を行うクラブが多い中、感染リスクを考慮してJ1では唯一、対外試合を組まなかった。また、練習では一般はもちろん報道陣にも非公開と、外部との接触を徹底的に絶ってきた。それだけに、滝川社長は「逆にこれ以上、どこを対策強化していけばいいのか…」と嘆いた。

 チームは5日以降に全選手、スタッフら関係者にPCR検査を実施。検査結果を受けて今後の活動を決めるが、まずは安全面の確保ができるまで活動停止もあり得る。「とにかく、感染者の回復と再発防止をどこまでできるか。周りの意見も聞きながら、対策していきたい」と滝川社長は言う。一時は落ち着きを見せていたコロナ禍が、スポーツ界に再び襲いかかった。

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2020年11月4日のニュース