横浜FCカズ、新たな伝説!53歳6カ月28日最年長出場 J1ピッチにキング帰還

[ 2020年9月24日 05:30 ]

明治安田生命J1第18節   横浜FC2-3川崎F ( 2020年9月23日    等々力 )

前半、ジェジエウにタックルされる横浜FC・三浦(左)
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 明治安田生命J1リーグ第18節は23日、各地で9試合が行われ、横浜FCのFW三浦知良(53)が川崎F戦に今季初先発した。カズのJ1出場は07年12月1日の浦和戦以来、4680日ぶり。53歳6カ月28日での出場は中山雅史(現J3沼津)のJ1最年長出場記録(45歳2カ月1日)を大幅に更新した。試合は2―3で惜敗し“ひとりカズダンス”もお預けとなったが、世界的な偉業となった。

 倒れ込みながらも正確なパスが出る。前半37分、カズがDFを背負いながら抜群のポストプレーで左サイドの松尾へ送り、好機を演出した。左腕には主将マーク。「(佐藤)謙介、田代が主将マークは僕に、と。そういう気持ちを腕章に込め、責任を持ってピッチに立ちました」。勇猛果敢なプレーは53歳とは思えなかった。

 圧倒的な攻撃力を誇る川崎Fに対し、横浜FCの策は「攻撃こそ最大の防御」。中村、松井と初めて同時にピッチに立ち、技術力でボール保持を意識した。前半31分には中村、カズ、松井と3人でパスをつなぎ、スタンドをどよめかせた。「ビルドアップがうまくいった時は中盤で受けられた」。後半11分、交代の場面は敵地からも万雷の拍手。やはり存在感は別格だった。

 53歳。圧倒的なプロ意識は年齢を凌駕(りょうが)していた。今季は遠征先にも体重計を持ち込み、1日に3~4回はチェックする。「試合前は72キロ台に合わせる。60キロ台だとエネルギー不足で走れなくなるから」。8月のルヴァン杯では1試合で体重が約3キロ落ちたが、終盤までデュエルした。この日もタッチ数17回、随所にタフなプレスも健在で、グラム単位の調整は完璧だった。

 コロナ禍でも、出場機会に恵まれない間でも、常にあの言葉が支えだった。先発出場なし、年間出場も59分で終了した18年末、セリエA時代からの親友で元イタリア代表FWバッジオ氏と再会した。「現役を続けろ!苦しい時は俺を思い出せ。俺が背中を押す」と。魂が震えた。次のピッチに向かう勇気となっていた。

 出場したリーグ戦では18年4月のJ2金沢戦以来の黒星。さすがの神通力も首位の川崎Fには及ばなかった。「エリア内での仕事が少なかった。その辺は物足りない」。それでも栄光のV川崎(現J2東京V)時代、J1通算139得点のうち、競技場別で最多となる26点を決めた等々力でしるした新たな金字塔が色あせることはない。

 カズは言う。「記録に関しては、関わったみんなに感謝したい。また競争に勝ち抜き、この経験を次のリーグ戦に生かしたい」。世界に例をみない偉業もまた、新たなカズ伝説の始まりに過ぎない。 

 《ゴンの45歳2カ月1日 大幅に更新》横浜FCのカズが53歳6カ月28日で先発。12年札幌FW中山雅史の最年長出場記録45歳2カ月1日、16年甲府DF土屋征夫の同先発記録42歳3カ月3日をともに大きく更新。なお海外1部リーグでは65年イングランドでストークのFWスタンリー・マシューズが50歳5日、今季モンゴルでFC墨田ジェプロのDFハンドスレン・オユンビレグが54歳で出場した例がある。

 カズのJ1出場は07年12月1日の浦和戦以来13年、4680日ぶり。13年ぶり出場は4人目で、MF永井篤志(97年福岡→10年仙台)の4595日ぶりを上回る最長ブランク。

 横浜FCは先発11人が平均31.91歳。前記の土屋を含む16年甲府は32歳代を4度(最高32.36歳)記録しており、それに次ぐ“年長イレブン”となった。

 カズは後半11分まで出場も無得点。94年に鹿島MFジーコが記録した41歳3カ月12日のJ1最年長得点記録更新は次戦以降にお預けとなった。

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