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鹿島・内田 現役ラストマッチで劇的ドロー 右クロスで同点起点、痛みに耐え最後まで走り抜く

[ 2020年8月23日 21:00 ]

明治安田生命J1第12節   鹿島1―1G大阪 ( 2020年8月23日    カシマ )

<鹿島・G大阪>後半8分、井手口(左)を抑え込んでボールをキープする内田(撮影・篠原岳夫)
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 現役引退を発表した鹿島の元日本代表DF内田篤人(32)が“現役ラストマッチ”となるホームでのG大阪戦で前半16分から緊急出場。負傷したDF広瀬に代わって急きょ右サイドバックに入り、キャプテンマークを巻いて気迫あふれるプレー。右足をテーピングでガチガチに固めながらも積極的な攻撃参加で好機を演出。試合は後半アディショナルにDF犬飼が同点弾を決め1―1の引き分け。最後まで必死に走り続けた内田には大きな拍手が送られた。

 試合は前半6分、自陣右サイドをMF倉田にワンツーで突破されペナルティーエリアへの進入を許すと、マイナス方向にグラウンダーのパス。これをファーサイドでフリーになっていたMF小野瀬に決められ先制点を与えてしまった。

 すると前半13分にアクシデント発生。右サイドでクロスボールを阻止しようと競り合ったDF広瀬が足を負傷。ここで急きょDF内田が準備を始め、同16分から広瀬に代わって右サイドバックとして途中出場。ピッチへ入るとMF三竿から渡されたキャプテンマークを左腕に巻いた。 

 緊急出場となった内田だったがポーカーフェイスで積極的に攻撃にも参加。前半22分には高い位置でボールを受けドリブル突破を仕掛け一旦はボールを失うも、クリアしようとする倉田にタックルを敢行。ボールは奪えなかったが会場からは拍手が送られた。同38分には右サイドの高い位置まで攻め上がり、三竿からの大きな弧を描くロングボールを頭でペナルティーエリア中央に折り返し好機を演出。

 内田は前半39分、CKのチャンスからFW宇佐美にボールが渡ってしまいカウンターのピンチを察知。後方から激しくチャージしたためイエローカードを受けてしまったがカウンターの芽をつむことには成功した。前半アディショナルタイムには右サイドからクロスボールで好機を演出。中央のFWエヴェラウドにはわずかに合わなかったが会場は沸いた。

 内田は後半に入っても存在感を発揮。同10分、右サイド中央付近からDFラインの裏を狙ったクロスは相手DFにクリアされるも、こぼれ球を拾ったエヴェラウドがペナルティーエリア左から強烈なシュート。これはDF三浦の体を張ったブロックで防がれてしまった。

 同19分にはまたも内田が好機を演出。右サイド深い位置からダイレクトでクロスを送るもGK東口にキャッチされ得点ならず。給水タイムでは右足にテーピングをさらに入念に巻きつける場面も。それでも内田は同39分、絶妙な飛び出しで右サイドからDFラインの裏へ飛び出し、そのまま右足でクロス。だがこれも味方に合わず無得点。

 すると後半アディショナルタイムに待望の同点弾。右サイドから内田がクロスを入れると、こぼれ球を味方が繋ぎMF荒木が左サイドからクロス。このボールをDF犬飼が頭で押し込み土壇場でネットを揺らした。

 試合は1―1の引き分け。最後まで痛みに耐えながら走り続けた内田には大きな拍手が送られた。

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