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福島・尚志サッカー部の仲村浩二監督 県内ライバル校と積極的に交流戦「福島を強くしたい」

[ 2020年6月12日 05:30 ]

尚志イレブンに指導する仲村監督(左)
Photo By スポニチ

 コロナ禍で高校サッカーもプレーする場が消滅しているが、尚志の名将・仲村浩二監督(47)が積極的に動いている。13日に、例年は公式戦以外では対戦しない県勢の帝京安積と練習試合を行い、来月には県内強豪4校のリーグ戦の実施も提案している。移動や宿泊が制限される中で、尚志を中心に県内で切磋琢磨(せっさたくま)し、福島勢を強くしていく。

 1日から本格的に練習を再開し、仲村監督は喜びを感じていた。休校中は自主練習を続けていたが、指導はしなかった。「サッカーに飢えていた。教えられることにワクワクしています」と胸を躍らせる。

 県高体が中止となり、プリンスリーグ東北やU―18県リーグ1、2部も開幕していない。実戦の場が失われたことで、仲村監督は「県内から手を取り合い、福島を強くしたい」とライバルに声を掛けた。これまでは手の内を明かさないように県内の強豪との対戦は避けていたが、緊急事態宣言が解除されてから初の対外試合としてあす13日は帝京安積、14日は学法石川と練習試合を行う。来月4日からは、聖光学院も加えて県内強豪4校によるリーグ戦を実施する予定だ。「プリンスリーグもできないし、できることから始めたい。県のレベルが上がらないと全国優勝はない」。移動にリスクがある今こそ、福島のチーム同士が協力して強化し、県勢初の日本一を目指す。

 大震災が発生した11年も、原発事故の影響で練習が制限された。それでも、尚志は22人の3年生全員がチームに残って練習を重ね、夏のインターハイで県勢初のベスト8に進むと、冬の全国選手権では初めて3位に輝いた。仲村監督は「福島を支えるというより、福島に支えられていた。サッカーは人を変える力があると知った。感謝の心しかなかった」と当時を振り返る。だが、同じ“見えざる敵”が相手となった今年は活動もできず、「サッカーをやることが罪になる」ともどかしさを感じている。

 昨年3位となったインターハイが中止となり、目標を「選手権で日本一」に切り替えた。「立派な学年だし、力があったのでインターハイの中止は悔しい。それだけに最後への思いは強い」。福島で、福島とともに強くなる尚志イレブンに、仲村監督は期待する。(近藤 大暉)

 《小学生対象の大会も開催》仲村監督は、28日に小学生を対象とした「SHOSHI ジュニアサッカーフェスティバル」を開催することも明かした。小学3年生から6年生までのクラブチーム「SHOSHI FC」のアドバイザーでもあり、「大人が動いてあげないといけない。競い合う場所をつくってあげたかった」との思いで大会を実現させた。また、“アマチュアサッカーの魅力”にも期待しており、「優勝してもお金は入らないけど、それが日本人の心に響く」と熱く語った。

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2020年6月12日のニュース