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【J通訳が皆伝する英会話術「Jリーガーからのヒント」<5>】一番大事なのは「聞き流す」こと

[ 2020年5月29日 05:00 ]

ジョージ赤阪(illustration by BASHI)
Photo By 提供写真

 こんにちは。大久保嘉人や中村俊輔らJリーガーから“ジョージ”の愛称で親しまれている、J2磐田の通訳です。21年間の通訳経験を生かし、常識とはひと味違う習得法を伝授しています。聞き手は英語が苦手な東京・門前仲町OLさん。新型コロナウイルス感染拡大の影響で普段より、長くなったおうち時間を生かし、5回目の今回もぜひ皆さん一緒に学びましょう。

 ジョージ(以下ジ) こんにちは。1日3分間トーク、始めてみましたか?

 O 昨夜から早速始めてみました。そういえばジョージさん、外国人は英語を学ぶのが早くて日本人が遅いのはなぜですか?

 ジ よく受ける質問ですが、それは意識の違いだけなんです。言葉を覚える能力は誰でも平等であることを強く意識してくださいね。

 O はい。

 ジ だからこそ1日3分間だけでも英語だけで考える習慣をオススメするんです。3分間トークを2週間続ければ、あなたの脳はまっさらな「2歳児の脳」に戻されていくのです。

 O 日本語に変換したがる大人の脳から、英語だけで思考できる脳に変わるんですね。

 ジ そうです。この「英語脳」ができた段階にきたら、語彙(ごい)数とフレーズを少しずつ増やしてインプットしていきましょう。今回のテーマです。

 O 分かりました!

 ジ ここで、音声ダウンロード(またはCD)付の英会話集をもう一冊購入してください。選ぶポイントは比較的簡単なもの。音声やCDはお気に入りの音楽を流すような頻度で、部屋で何度も繰り返し聞きましょう。一番大事なのは「聞き流す」ことです。

 O BGMのようにかけ続けるんですか?

 ジ そうです。頭の中でいちいち日本語に訳さず、英文のイメージだけをつかんでいればいいです。

 O 早速ネットで注文してみます。

 ジ ぜひ始めてみてください。実はね、今回のテーマにも関連して、僕も興味深かった2人の世界的な元Jリーガーのエピソードがあります。

 O 聞きたいです!

 ジ 1人目は94年のW杯米国大会に主力で出場した、ロシア元代表FWラドチェンコ(磐田在籍99~00年)。彼は磐田との契約時、母国語のロシア語ではなくスペイン語の通訳を要求したんです。

 O ええ!?

 ジ 2人目はそのW杯米国大会で優勝したブラジルの主将を務めた、かのMFドゥンガ(磐田在籍95~98年)。彼も磐田在籍時は、母国語のポルトガル語ではなくイタリア語の通訳をつけていました。

 O なぜ!?

 ジ 2人に共通していたのは、「母国語を忘れることはない。せっかく身につけた外国語を日常で使い、もっとうまくなりたい」という思いでした。

 O 凄い…!

 ジ 彼らのように身の回りに話せる機会があるのならば、どんどん活用していくことが大事なんです。

 O 参考になります!

 ジ それでは5回まで終わったこのタイミングで、改めて僕の習得法を実践することで自然に起こる現象をまとめてみますね。

 O お願いします。

 ジ まず「英語脳」を作る。すると、今までの自分がうそのように英語学習が楽しくなります。なぜなら、たった3分間でも英語だけで思考する習慣がつくと「自分にもできる!」と自信がつくから。視野が広くなり、外国人ともどんどん話したくなってきます。すると単語やフレーズも増えていくんです。

 O いいサイクルですね。

 ジ 一度加速するとエンジンが回り続けるように、英語を話すことがますます快感でやめられなくなります。これが今まで誰も教えてくれなかった「ペラペラへの最善学習法」です!

 O この機会に教えてもらえて良かったです!

 ◆ジョージ赤阪(じょーじ・あかさか) 99年から磐田の通訳を務める埼玉出身の53歳。日本語、英語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、韓国語を操る。現在フランス語も習得中。これまで約30人の通訳を担当。
 ※全6編で、30日まで毎日配信。
 

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2020年5月29日のニュース