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無観客で欧州最速5・9再開へ ブンデス流“独自対策”運営ガイドラインにJもプレミアも注目

[ 2020年4月28日 05:30 ]

ドイツ1部リーグが中断する中、サポーターのパネルが置かれたボルシアMGの本拠地スタジアム=16日、メンヘングラッドバッハ
Photo By AP=共同

 新型コロナウイルスの感染拡大で中断している欧州主要リーグで、ドイツ・リーグ(ブンデスリーガ)が最も早く5月9日に再開する可能性が高まっている。チームは6日から少人数に分かれて練習を再開し、リーグは無観客で行われる予定の試合開催に向けて専門家による詳細なガイドラインを策定。選手へのPCR検査実施、試合運営方法など、Jリーグやイングランド・プレミアリーグも注目しているというコロナ対策とは。

 死者数を周辺国より少なく抑え、政府規制が一部緩和されたドイツが、欧州最速となるリーグ再開へ準備を整えた。23日、各クラブが参加したテレビ会議で5月中の再開に備える方針を確認。会見したリーグのザイフェルト社長は、再開の可否や日程は政府や各州の判断に委ねられるとし「もし5月9日からと言われても、準備はできている」と説明した。

 無観客試合に向けたガイドラインの柱は、選手、スタッフの定期的なPCR検査だ。地元メディアによると、リーグは選手に試合前日の検査を義務づけるなど、3日に1回程度の検査を検討。今季終了まで検査はのべ2万5000回で、予算は250万ユーロ(約2億9000万円)と想定しているという。サッカー関係者だけが定期検査を受け一般の検査に影響を与えるとの批判もあるが、ドイツでは週73万回の検査が可能なためザイフェルト社長は「検査体制は余裕がある」と説明した。

 1試合に関わる人数は選手、スタッフ、審判、関係者など最大で322人に設定。選手の試合前後の行動など細かく規定しているが、ここに来て急浮上してきたのがガイドラインにはない“マスク問題”だ。シュピーゲル誌(電子版)は23日、労働省が選手に試合中のマスク着用を義務づけることを検討していると報道。医療レベルの予防力があるスポーツに適したマスクを着用して少なくとも15分ごとに交換し、プレー中に外れた場合は試合が中断するという。

 これに対しガイドライン策定に関わったドイツ代表医師のマイヤー氏は「試合中は濃厚接触にあたらず、感染の可能性は低い」と主張するなど批判が続出し、ハイル労働相は「試合中のマスク着用は想像できない」とトーンダウン。地元紙ビルトが「歴史的実験」と表現した新型コロナ対策は、前例が皆無なだけに今後も紆余(うよ)曲折がありそうだ。

 ◇ドイツ・リーグの主なガイドライン◇ 
・PCR検査で陽性者は隔離。濃厚接触者は検査し経過観察
・選手、スタッフの会場への移動は1台のチームバスではなく、数台のミニバスなどに分乗して間隔を確保。またはマスク着用
・試合前のウオームアップで選手間の距離を確保
・ベンチは2、3脚ごとに座るなど選手、スタッフの距離を確保
・エスコートキッズ、マスコット、試合前イベントは禁止
・選手の試合前集合写真、握手、円陣は禁止
・記者会見はネット、ビデオ、電話などの方式のみ許可

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