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天皇杯 コロナ禍で変則開催 J1上位2クラブだけ準決から出場 88から50クラブへ大幅縮小

[ 2020年4月24日 05:30 ]

昨年度の天皇杯で初優勝を果たした神戸
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 日本サッカー協会は23日、第100回を迎える今季の天皇杯方式を大幅に変更することを決定した。新型コロナウイルス禍の影響を考慮し、開幕は9月16日。JリーグからはJ1のリーグ戦上位2クラブのみ12月27日の準決勝から出場し、来年元日に国立競技場で決勝戦を行う。出場数も従来の88から50クラブへ大幅縮小。5月の理事会で決議される。

 伝統ある大会も例外ではなかった。日本協会は天皇杯の大幅縮小を決定した。新型コロナ禍で公式戦中断が続くJリーグ勢の出場はJ1の2クラブのみ。須原専務理事は「Jリーグは日本サッカーの中心。どこまで振り切った案を出せばレギュラーシーズンの消化に有利な条件を提供できるかを考えました」と経緯を説明した。

 開幕は9月16日。出場は都道府県代表の47チーム、アマチュアシードのホンダFCとJ1勢。関係者によれば当初Jリーグ勢の不参加も議論されたが、この案に落ち着いた。J1の2クラブの登場は準決勝(12月27日)からで当初の天皇杯開催日にJリーグやルヴァン杯を実施できる。仮に今季リーグ戦が終了しない場合の決定方法は未定。今後、Jリーグと協議していく。

 須原専務理事は試合数の減少で「収入減は覚悟しています」とも明かした。1~4回戦は入場無料。9月以後も観客の安全が確保できない場合「無観客開催」が選択肢となるための措置でもある。1~3回戦は地域ごとのブロックとし、選手の移動を最小限にとどめるよう配慮される。

 都道府県の代表決定法は今後、各協会に一任される。既に代表に決定していたJ3秋田などはJリーグ勢のため出場は不可。5月23、24日の1回戦が延期されるなど2度も大会方式が再編された今季の天皇杯だが、今回の変更で都道府県代表の選考やり直しまで迫られることになった。

 突然の決定に困惑を隠せないJクラブも少なくなかった。92年から参加するJリーグ勢は優勝を逃したことはない。優勝でACLの出場権を得るが、Jリーグ以外の場合J1勢に振り替えられる。

 72年度の第52回大会から「オープン化」され、加盟全チームに門戸を開いた。サッカー日本一を決める大会として定着した記念大会だが、コロナ禍の波は避けられなかった。

 ▽天皇杯全日本サッカー選手権 J1、J2全クラブと47都道府県代表などが参加し、一発勝負のトーナメント方式で日本一を競うオープン大会。1921年に第1回大会が開催され、今回が100回目。5月の1回戦は延期が決まっている。67年度から決勝が国立競技場になり、翌68年度から元日開催となった。92年から参加したJクラブは昨年度初優勝の神戸まで毎年、優勝していた。アマチュアチームがプロを破るジャイアントキリングも見どころの一つ。

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2020年4月24日のニュース