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幹部6人が辞任…バルサお家騒動にメッシも“参戦”賃金カット交渉めぐり上層部批判

[ 2020年4月14日 06:30 ]

内紛が表面化したバルセロナ(AP)
Photo By AP

 スペイン1部リーグの名門バルセロナでお家騒動が持ち上がった。ジョゼップ・バルトメウ会長(57)との対立から、副会長2人を含む幹部6人が9日に辞任を表明。また、チームのキャプテンを務めるFWリオネル・メッシ(32)は非常事態宣言下の賃金カット交渉をめぐってクラブ上層部を批判した。新型コロナウイルス感染拡大の影響でクラブの収入は減少しており、内外で厳しい状況に直面している。

 新型コロナウイルスの感染拡大で非常事態宣言が出されているスペイン。リーグ2連覇中のバルセロナでは異常事態が発生した。ロウサウド、トンバス両副会長を含む幹部6人が辞任を表明。バルトメウ会長への反旗を翻し、クラブ上層部の内紛が表面化した。

 幹部6人が地元バンガルディア紙で発表した声明で「非常に失望したことを強調したい」と非難したのが“バルサゲート”と呼ばれる疑惑だ。バルトメウ会長は17年に契約したI3ベンチャーズというIT企業を使い、ソーシャルメディアで情報操作を行っていたとされるスキャンダルが2月に浮上。同会長のイメージアップを図る一方で次期会長候補のロウサウド副会長ら対抗勢力を中傷し、さらにFWメッシ、DFピケら影響力の大きい選手やOBの悪評を広めたとされる。

 またロウサウド副会長は10日に地元ラジオで「10万ユーロの商品に100万ユーロを支払ったら(差額を)誰かが横領したということ」と同会長ら幹部の横領疑惑を示唆した。クラブは一連の疑惑を全面否定。幹部の大量離脱劇について「会長の任期最終年に向け、全力で取り組むための組織改編」と説明。バンガルディア紙によると、同会長は信用できない複数幹部へ既に辞任勧告を出していたという。

 またチーム主将でエースのメッシもクラブへの不満を公にしている。元同僚のアビダル・スポーツディレクターがメディアで選手を批判したことに反発。3月末にコロナ禍による給与7割カットに合意した際は、自身のインスタグラムで「当初から実行するつもりだったことに対し、クラブ内で圧力をかけてくる者がいた」などと不信感をつづった。

 アス紙によると15年の就任以来、バルトメウ会長の下を離れた副会長は7人目。来年まで任期を残しており、騒動の終わりは見えてこない。

 《次期会長候補も猛批判》バルセロナの次期会長選に立候補を表明している実業家のフォント氏は12日に声明で「破産とモラル崩壊の危機にある」と現体制を猛批判した。クラブはコロナ禍で今季予算10億4700万ユーロ(約1235億円)から大幅減収の見通し。約61%を占める選手人件費が負担になっており、ロウサウド氏は地元ラジオで「選手と非常事態宣言期間の70%超の給与カットで合意したが、年間給与でいうと約4%の1500万ユーロ(約17億7000万円)。これでは赤字はカバーできない」と明かした。

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