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札幌DF田中駿汰 定位置奪取の先に目指すは「開拓者」

[ 2020年2月8日 07:00 ]

2020・J1 東京五輪世代注目の男(8)

札幌の田中駿汰
Photo By スポニチ

 ペトロヴィッチ体制3年目。今季は悲願のACL出場とタイトル獲得を目標に掲げる。そこへ新加入したのがDF田中だ。大体大4年だった昨年12月にA代表デビューも飾った“シンデレラボーイ”の活躍が、チームの命運を握りそうだ。

 上背がありながら足元の技術に優れる。本職であり「勝負したい」と本人も強いこだわりを持つボランチに加え、センターバック(CB)もこなせる現代タイプのフットボーラー。攻撃の展開力や冷静沈着なプレーは、本人が参考にするスペイン代表MFブスケツをほうふつさせる。

 原点は大学時代にさかのぼる。ほとんど経験のなかったCBに時にコンバートされ「守備の意識、1対1の強さが身に付いた」と振り返る。守備力の向上で全日本大学選抜に選出されるなど、プロへの道が開いた。タイ・チェンマイキャンプの実戦でも左DFで高い適性を示していた。

 1月のU―23アジア選手権(タイ)では、川崎FのMF田中碧とダブルボランチを組み、攻守に奮闘した田中だが、現時点ではまだ、札幌の定位置には手が届いていない。ただ、レギュラー陣に焦燥感を与えるだけの片りんは示しつつある。

 「今いる立ち位置はギリギリ。もっとアピールしないと(五輪代表には)手は届かない。札幌でいろいろな面で成長し力をつけた先に東京五輪がある」。選出されればクラブから初のオリンピアンだ。「開拓者」となれるかどうかは1年目の活躍にかかっている。

 ◆田中 駿汰(たなか・しゅんた)1997年(平9)5月26日生まれ、大阪府出身の22歳。5歳でサッカーを始める。G大阪U―15では1学年下の堂安律(現PSVアイントホーフェン)らと3冠達成も、自身は昇格できず履正社に進学。大体大時代の昨季にU―22日本代表に初選出され、同年12月の東アジアE―1選手権(韓国)の香港戦でA代表デビューした。1メートル83、68キロ。利き足は右。

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2020年2月8日のニュース