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静岡学園、令和初王者に王手 MF松村が“サヨナラPK弾”「自分の信じた方向に蹴った」

[ 2020年1月12日 05:30 ]

第98回全国高校サッカー選手権第6日 準決勝   静岡学園1―0矢板中央 ( 2020年1月11日    埼玉スタジアム )

<矢板中央・静岡学園>後半終了間際、祈るベンチメンバーの前でPKを決める静岡学園の松村(撮影・西海健太郎)
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 準決勝2試合が行われた。静岡学園(静岡)は矢板中央(栃木)と対戦。後半終了間際、J1鹿島に内定しているMF松村優太(3年)が得たPKを自ら蹴り“サヨナラ劇弾”で24大会ぶりの決勝進出を決めた。前回王者の青森山田(青森)はFW田中翔太(3年)らのゴールで帝京長岡(新潟)を2―1で撃破し、連覇に王手をかけた。決勝は13日に埼玉スタジアムで行われる。

 最後の最後にドラマが待っていた。後半アディショナルタイム4分、MF松村は中央からドリブルで運びMF小山とワンツー。再びボールを受けた瞬間、相手DFに足をかけられPKを獲得した。

 「外したら負ける、くらいのつもりで。GKは全然見ていない。周りの音はシャットアウトして自分の信じた方向に蹴った」

 エースが蹴り込んだボールがゴール右下に吸い込まれると、試合終了のホイッスルが響き渡った。ここまで4戦無得点だった松村は「今日は点を取れると思っていた。終わりの笛が聞こえないくらい興奮した」とJ1鹿島内定の実力を見せつけた。

 終始ボールを保持した静岡学園に対し、矢板中央は自陣に11人が引いた状態でブロック。「最初から固めてくることは分かっていたけど、攻めあぐねた」と1人に2、3人のDFで対応してくる堅守に苦戦した。それでも「攻める姿勢を貫いて点を取れたのはよかった」と放ったシュートは24本。攻撃の手を緩めず静学スタイルを貫いた姿勢が、最後の最後に勝利を呼び込んだ。

 仲間たちとの再会も大きな力になっていた。松村は昨年12月、U―18日本代表候補の合宿に参加。約6カ月ぶりの代表合流で、帝京長岡FW晴山らとともにプレー。同校とは準々決勝まで宿舎も同じで「がんばろう!」と選手権での活躍を誓い合っていた。

 決勝戦では前回王者の青森山田と対戦する。J1浦和に内定しているMF武田との“10番対決”に、松村は「もちろんプロ内定選手には負けたくない」と鼻息は荒い。「ここまで来たら日本一しか狙っていない。自分たちで歴史をつくれるように」。95年度以来24年ぶりの頂点へ、そして初の単独優勝へ。エースが再びゴールを目指す。

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