長友マネジャーから政界へ 今西悠氏の挑戦

[ 2020年1月6日 09:00 ]

長友佑都
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 サッカー日本代表の長友佑都(33=トルコ1部ガラタサライ)の周囲にはチャレンジ精神が旺盛な人材が多い。長友がそういう人間を引き寄せるのか、それとも、長友に感化されて人生観が変わるのか。それは定かではないが、ロマンを追う熱い男たちが集まっている。

 長友のマネジャーを務めながら昨年3月に32歳でJ2水戸とアマチュア契約を結んだ近藤慎悟氏(32)が注目を浴びたが、新たなフィールドで挑戦しているのは彼だけではない。現職の国会議員の公設秘書を務める今西悠氏(32)も、長友が代表取締役社長兼CEOを務める株式会社Cuore(クオーレ)を飛び出し、自らの夢に向かって進み始めた1人だ。

 長崎県長崎市出身。少年時代からサッカーに明け暮れ、長崎日大高時代には高校選手権県大会決勝で自らのオウンゴールで国見高に敗れた苦い経験を持つ。明大では長友の1学年後輩に当たり、バーベキューなどの催し物の際には一発芸でコンビを組んだ間柄でもある。卒業後の10年にNBC長崎放送に入社し、16年にCuoreに転職。長友のマネジャーとして、肖像権管理やスポンサー営業、メディア対応、ヘルスケア事業の企画など幅広い業務をこなした。

 順調なキャリアを歩む一方で「佑都さんの存在が大きい分、自分自身の存在意義や価値を見つめ直す機会が増えた」と葛藤も生まれた。そんな時、親交のあった弁護士が17年の衆議院議員選挙で初当選。次期衆院選に長崎2区から出馬することが決まると、今西氏の心が動いた。シンガポールでプロサッカークラブ(アルビレックス・シンガポール)を創設、運営した経験があり、FIFA公認エージェントとして選手の移籍を手掛けた実績もある議員の政界進出への熱い思いにも感銘し「側でいろいろと学び、経験を積みたい。自分自身の力をつけたい。長崎の声を国政に届けて、長崎から日本を変えたい」との思いが膨らんだ。

 気持ちを抑えることができず、長友に相談。自らの可能性を追求し続けることで33歳になった現在も第一線で活躍する日本代表の左サイドバックが、信頼を置く後輩の夢を阻むはずがない。最後は背中を押され、政治の世界に飛び込むことが決まった。今西氏は「佑都さんへの感謝が大きかった分、期待を裏切るという気持ちもあった。何一つ恩返しできていないままで申し訳ないという気持ちも強かった。でも自分の気持ちに嘘はつけなかった」と振り返る。

 昨年9月に公設秘書の活動をスタート。地方創生コンテンツの立案、政策課題解決のサポート、後援会組織運営など多忙な日々を送っている。近く地方創生を促進するため、自身が代表を務める一般社団法人を設立する予定。スポーツをテーマに様々な活動を長崎県内で展開する計画を進めている。

 慣れない仕事で壁にぶつかった時は、長友に教えられた「自分自身の選択を正解にする」という言葉を思い出す。「佑都さんは、人生で重要な選択を迫られた時、正解を選択しようとするのではなく、自分の選択した道を正解にしていくことを考えて行動していた。ここから先は全て自分次第。自分自身をどう生かすか、考えて行動したい」。議員の選挙結果次第で、安定した収入がなくなるシビアな世界だが、リスクは覚悟の上。長崎から日本を変える――。長友の下で心身ともに鍛えられた今西氏の志は高く、ブレない。(木本 新也)

 ◆今西 悠(いまにし・ゆたか)1987年(昭62)6月24日生まれ、長崎市出身の32歳。南長崎小、小ヶ倉中、長崎日大高、明大を経て、10年にNBC長崎放送に入社。16年7月にCuoreに転職し、19年9月からは衆議院議員の松平浩一事務所に所属する。趣味は読書。身長1メートル83、73キロ。AB型。

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