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U―22日本代表・田中駿汰 地道にキャリアアップ 大舞台目指す22歳

[ 2019年11月22日 11:00 ]

田中駿汰
Photo By スポニチ

 森保監督に「現状のベストメンバー」と位置づけられた今月のU―22日本代表合宿に、大学生として唯一、大体大4年生のMF田中駿汰(22)が名を連ねた。今年5月のトゥーロン国際大会で初招集され「半年前は考えてもいなかった」という東京五輪出場の可能性が芽生えてきた。

 かつてはG大阪ジュニアユースに所属。中3時には、同学年の初瀬(現J2福岡)や市丸(現J2岐阜)、そして1学年下の堂安(現PSV)らと3冠を達成した。だが、夏頃にはユースへ昇格できないことを告げられた。県外の高校への進学も考えていた中で、当時の鴨川幸司監督から「大阪で探してもいいんちゃう?」と勧められ、履正社高へ進んだ。

 高校からのプロ入りはならず、16年に大体大へと進学。主戦場はボランチながら、2~3年時にはほとんど経験のなかったセンターバックとして出場を重ねて成長した。「大学で一番、伸びたのは守備。センターバックをやるようになって、守備の意識、1対1の強さが身についた」。全日本大学選抜にも選出され、今年5月には来季からの札幌加入が内定した。

 4年生とあって、現在は卒論を執筆中。自らも出場したトゥーロン国際大会の日本―ブラジル戦、日本―チリ戦を場面ごとに切り取り、それを大体大サッカー部のA、B、Cチームの各カテゴリー別に「この局面でどう考えるか?」と選手に聞いて回り、比較した。

 「トップのAの選手はこう考えている。BやCの選手には“その考え方はなかった”といったこともあって。B以下のチームに対しても、良い資料になるかなと思った」

 先発出場した10日の親善試合コロンビア戦ではアピール不足に終わったものの「大学を代表している自覚を持たないといけない」と言う。「大学サッカーは正直、観客も少ない。僕が出ることで、大学サッカーにも興味を持ってもらいたい」。再び同じチームとなった堂安らとともに、地道にキャリアを重ねてきた22歳が大舞台を目指す。(西海 康平)

 ◆田中 駿汰(たなか・しゅんた) 1997年(平9)5月26日生まれ、大阪府出身の22歳。NSC北斗SC、G大阪ジュニアユースから履正社高に進み、大体大に進学。今年5月に来季からの札幌加入が内定。1メートル83、68キロ。利き足は右。 

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