×

札幌“再出発”3発快勝!深井 ルヴァン杯決勝再現弾に笑顔「マークが付いてくると思ったが…」

[ 2019年11月3日 05:30 ]

明治安田生命J1第30節   札幌3-0名古屋 ( 2019年11月2日    札幌ド )

<札幌―名古屋>後半、PKを決めた鈴木(9)を祝福する札幌イレブン
Photo By 共同

 札幌が悪夢から立ち上がり、名古屋に3―0で完勝した。川崎FにPK戦で敗れたルヴァン杯決勝後初の試合は、DF福森晃斗(26)のCKをMF深井一希(24)が頭で合わせて先制。決勝での執念の同点弾を再現して主導権を握った。リーグ戦では5試合ぶりの勝利。ACL出場圏の3位以内は完全消滅したが、タイトルを狙うクラブとして今季最後まで高い意識で戦い抜く。

“再出発”の号砲は深井が鳴らした。前半35分。福森の左CKを中央に飛び込んできた深井が頭で完璧に捉える。後半アディショナルタイムで2―2に追いついたルヴァン杯決勝の興奮が、札幌ドームでよみがえった。

 「ルヴァンで決めたのでマークが付いてくるかと思ったんですけどね。フリーだったので」。深井が笑って話せば、福森は「セットプレーは一発決まれば自分たちの流れに持ってこられる」と自らの左足が生み出す得点パターンに誇らしげだ。2人の“再現弾”が勝利への扉を開いた。

 サポーターのために奮い立った。10月26日の埼玉スタジアムでのファイナルでは、先制し、延長戦でもPK戦でも一時リードしたが、勝利を逃した。「悔しい思いをさせたので勝つしかない、と。切り替えるために絶対勝ちたかった」と深井。この日、観衆は1万9943人が集まった。決勝で帰札の便を断念してPK戦まで声援を送り続けた人。飛行機のチケットが取れず現地観戦を断念してテレビで見守った人…。全てのサポーターへ贈る白星だった。

 死闘の後だけに「肉体的にも精神的にも一番難しい試合」と話していたペトロヴィッチ監督は「こういう状況で勝利した選手を称えたいし、サポーターに感謝したい」と語った。決勝後最初の練習をした29日。リーグ戦3位以内の目標達成が絶望的だった状況を踏まえ、ミーティングで今後の目標を「7位以内」と選手に伝えていた。モチベーションを保つのが難しい中での完勝は、チームとして成長した証だった。

 決勝で見せた攻撃的で、最後まで諦めない戦いは、全国のサッカーファンの琴線に触れた。福森は「下手なプレーはできない。(サポーターが)また見たいというサッカーをしないといけないし、今日はそういうサッカーができた」と胸を張った。残り4試合。サポーターのために内容と結果にこだわり続ける。

続きを表示

2019年11月3日のニュース