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【川崎F・鬼木監督独占手記】5度目決勝で悲願の初V「一発勝負に勝ちたかった」

[ 2019年10月27日 09:00 ]

ルヴァン杯決勝   川崎3ー3(PK5ー4)札幌 ( 2019年10月26日    埼玉 )

悲願のカップ戦を制して笑顔を見せる鬼木監督
Photo By スポニチ

 川崎Fが5度目の挑戦でルヴァン杯初優勝を飾った。チームを3年連続タイトルに導いた鬼木達監督(45)がスポニチ本紙に独占手記を寄せた。

 難しい試合展開でしたが、最後まで諦めずにやってくれた選手たち、後押ししてくれたサポーターには本当に感謝したいと思います。

 とにかく一発勝負に勝ちたいという思いが強かった。選手として出場した00年、監督1年目の17年もそうでしたが、負けて明暗がはっきり分かれる光景を何度も目の当たりにしてきました。応援してくれるサポーターのためにも、何とかしたいという気持ちは常にありました。

 リーグ連覇を達成して迎えた今季は、周囲の期待がより高まっているのは感じました。その中で8月など、なかなか勝てない苦しい時期もありました。強く感じたのは、自分がどうというより、周りが凄く監督に対して気を使うんだなということです。たくさんの方から連絡やアドバイスを頂きました。

 高校の同級生からは「トオルらしくやりな」とメッセージもらったりもしましたし、ファンの方々からも「ずっと付いていきます!」など励ましの言葉をもらいました。ただ自分としては、もっと自分でやれることがあったのではないかと強く感じていたので、すぐに次へ切り替えましたし、選手にも「前を向いて進もう!」と声を掛け続けました。

 選手起用で頭を悩ませたか、もよく聞かれました。選手全員が毎日のトレーニングを全力で出し切ってくれていましたから。ただ、やっぱり先発は11人しか選べない。それに対して、悩ましいことはもちろんあります。監督も選手も一年、一年が勝負。お互いに難しい立場だなとは思いますけど、選手たちはよくやってくれました。結果と同時に、クラブの将来も考えながらチームづくりをしてきました。3年目の今年はある意味、競争が不可欠だと思っていました。

 目指していたタイトルの一つは獲れましたが、まだシーズンは終わっていません。リーグ3連覇へ最後まで諦めない姿を見せたい。あとは将来、ACLでリベンジして、いつか選手たちをクラブW杯の舞台に立たせたいという気持ちも強いです。(川崎F監督)

 ◆鬼木 達(おにき・とおる)1974年(昭49)4月20日生まれ、千葉県船橋市出身の45歳。現役時代は市船橋高から93年にプロ入りし鹿島と川崎Fで主にボランチでプレー。06年に川崎Fで現役引退し、育成コーチを経て09年にトップチームのコーチ就任。17年にはコーチから監督に昇格し、1年目にリーグ制覇。クラブに悲願の初タイトルをもたらした。昨年は史上5クラブ目の連覇を達成している。

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2019年10月27日のニュース