西野新監督 W杯目指しタイ「日本と戦えるように成長させたい」

[ 2019年7月20日 05:30 ]

ソムヨット会長(左)から名前の入ったユニホームを贈られ笑顔を見せる西野新監督 (撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 日本代表の前監督で、タイの代表監督兼U―23代表監督に就任した西野朗氏(64)が19日、都内で記者会見し、初のW杯出場に導く決意を語った。指導者として初の海外挑戦では「新たなチャレンジ」として、腹心のコーチたちは連れていかない。一両日中にタイ入りして始動する。

 W杯ロシア大会から1年、タイ代表監督に就任が決まった西野氏は晴れ晴れとした表情で登壇した。タイ協会のソムヨット会長と調印式を行った後、同会長が「経験を生かし、W杯ロシア大会に出場した日本代表と同じようにタイを成長させてくれると確信している」と、西野氏を招へいした経緯を説明。続いて西野氏は「新体制になって新しいタイのサッカーを築きたい、発展、成長をサポートしてほしいと強い熱意のある話を聞いた」ことが決断した理由だと明かした。

 タイとは過去に何度も対戦してきた。「日本にとって大きな壁だった。W杯予選で対戦して強さを出されたし、昔私が五輪監督をしていたときの予選でも苦しめられた。だが、自分が思っている以上にタイのサッカーが成長していないと感じた」と率直に振り返る。それでも「東南アジアのリーダーとなるよう、チーム力を上げていけるよう努力したい。W杯に導けるような力になりたい」と自信も見せた。

 9月5日からW杯2次予選がスタート、UAE、ベトナム、マレーシア、インドネシアと対戦することが決まっている。1カ月半しかなく「6月末に現地で数試合視察しただけで情報はこれから」と、ぶっつけ本番に近い船出となる。それでも西野氏は「新しいチャレンジ。覚悟を持って臨みたい。タイを、しっかり日本と戦えるように成長させたい」と決意を示した。

 96年アトランタ五輪でブラジルを破り、W杯ロシア大会でも短期間でチームをつくり上げてベスト16入りさせた手腕は健在。1年間の充電を経てグレードアップした西野マジックが再び見られそうだ。

 ◆西野 朗(にしの・あきら)1955年(昭30)4月7日生まれ、埼玉県出身の64歳。浦和西―早大―日立でMFとして活躍。大学1年生から日本代表に選出。8試合連続ゴールの日本リーグタイ記録を持つ。90年に引退後はユース代表、アトランタ五輪代表監督、柏、G大阪などの監督を経て、W杯ロシア大会で日本代表監督を務めた。

 ▽タイのW杯、五輪成績 W杯予選は74年から参加しているが、02年と18年のアジア最終予選進出が最高成績で本大会出場は一度もない。五輪はアマチュアしか出場できなかった56年メルボルン、68年メキシコで本大会出場を果たしている。

 【主な日本人海外指導者】
 ☆海外で活躍中の日本人監督 シンガポール代表監督は新潟や甲府を指揮した吉田達磨氏。カンボジアは元日本代表MF本田圭佑が実質的な監督に就任した。日本協会は公認指導者の海外派遣を積極的に行っており、北マリアナ諸島は三田智輝氏、東ティモールは築舘範男氏が監督を務める。

 ☆過去に海外で活躍した指導者 現在、U―18カンボジア代表監督の行徳浩二氏はネパール代表監督を歴任。鈴木隣氏はスリランカ代表監督を務めた。

 ☆クラブなどで活躍している過去の日本代表監督 97~98、07~10年まで日本代表監督を務めた岡田武史氏(現FC今治オーナー)は中国リーグの杭州緑城の監督を12~13年から2季務めた。

 《FC東京・長谷川監督、先輩にエール》FC東京の長谷川監督が偉大な先輩にエールを送った。02年から11年までG大阪を率いた西野氏の2年後から同チームを率い、14年に主要タイトル3冠を達成。長谷川監督は「W杯アジア最終予選まで残る国の監督を日本人がやるのは初めてだと思う」とその凄さを強調。その上で「先人として指導者のいろんなルートをつくってくれているし、我々はそれを乗り越えていかないといけない。ぜひいい結果を残してほしい」と新たな挑戦を応援していた。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「久保建英」特集記事

2019年7月20日のニュース