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J1「令和1号」は横浜FW仲川「狙ってました」お見事V弾

[ 2019年5月4日 05:30 ]

明治安田生命J1第10節   横浜1―0広島 ( 2019年5月3日    Eスタ )

<広島―横浜>令和1号を決める活躍を見せた仲川(左)
Photo By 共同

 歴史に残る「令和」のJ1初ゴールは横浜のFW仲川輝人(26)が決めた。横浜は3日、アウェーの広島戦に1―0で勝利した。右膝の大ケガやポジション争いで辛酸をなめた平成を乗り越えた26歳の快足アタッカーは平成最後だった前節から2試合連続の得点で2連勝に貢献した。

 新時代の到来を告げる祝砲は、イメージ通りの一撃だった。前半34分、FWマルコス・ジュニオールがペナルティーエリア左のスペースにパスを送ると、反応したのが仲川だ。持ち味の快足を生かして「タイミング良く走り込めた」。ファーストタッチで前を向き「GKを冷静に見て、後は流し込むだけだった」と右足でGKをかわし、角度のない場所から左足で流し込んだ。令和初ゴール。全身で「令」の文字をつくるパフォーマンスで祝った。

 節目に強い“持ってる”男だ。今季は開幕節G大阪戦で逆転勝利につながる同点弾を挙げ、平成最後の公式戦だった4月28日の鹿島戦でも決めた。「(令和初ゴールの)チャンスがあるとしたら自分たちの試合か浦和―磐田のもう1試合。正直、狙ってました」と笑った。試合後には観客席に向かって、再び「令」ポーズをつくると、左腿裏をつるアクシデントのおまけつきだった。

 平成を振り返れば、苦難の連続だった。川崎Fでトップチーム昇格がかなわず、進んだ専大では4年生だった14年に前十字じん帯断裂を含む右膝の大ケガを負った。15年に入団した横浜でも当初は定位置をつかめず2度の期限付き移籍を経験。それでも「壁にぶち当たったり悔しい思いをしたけど、それが今の自分を動かしている」と悔しさをバネに変え、成長を続けてきた。

 視察した日本代表の森保監督は「狙い通りの崩し方をしていた。素晴らしいゴールだった」と賛辞を贈った。日本代表について「サッカー選手はみんな目指す場所。早いうちに入りたい」と話す仲川にとっては名刺代わりの一発となった形だ。壁を乗り越え迎えた新時代は、最高の幕開けとなった。

 ◆仲川 輝人(なかがわ・てるひと)1992年(平4)7月27日生まれ、川崎市出身の26歳。川崎F下部組織、専大を経て15年に横浜加入。16年にJ2町田、17年にJ2福岡へ期限付き移籍し、18年に横浜復帰。J1通算40試合12得点。1メートル61、57キロ。利き足は右。

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