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札幌 5発大勝の影で…ロペス2m超の高さから落下も怪我なし

[ 2019年3月10日 05:30 ]

明治安田生命J1第3節   札幌5―2清水 ( 2019年3月9日    札幌D )

前半終了間際、PKを決めた札幌FWアンデルソン・ロペス(撮影・武田 政樹)
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 ヒーローの姿が突如消えた。後半4分。この日自身2得点目を決めたロペスは、興奮のあまりゴール裏へ駆けだして広告看板を跳び越えた。だが、その奥に段差があることを知らない新戦力は、そのまま転落。札幌サポーターの歓喜も一転、担架まで用意される事態に騒然となった。

 「興奮気味にジャンプしてから高さに気付いた」。看板の高さは90センチだが、その奥はピッチからコンクリートの床面まで1メートル38の段差があり、計2メートル28の“大ジャンプ”となってしまったのだ。

 何とか空中でバランスを立て直して両足で着地はしたが、倒れ込んで左肩付近を押さえて顔をゆがめた。幸い大事に至らず、約2分後に笑顔で手を上げてピッチへ。勢い余って落下したが、その後に勢いは加速する。アクシデント後の同24分に圧巻の個人技からハットトリックを完成。さらに同38分には右足で4得点目を奪った。人生初の4得点に「あそこに跳んでなかったら4得点は取れてなかったよ」と笑わせた。

 そんな爆笑ゴールラッシュの裏には、FW鈴木の“アシスト”があった。1―1の前半アディショナルタイム。鈴木が倒されてPKを奪取した。「蹴ってもいい?」。初得点が欲しかったロペスが尋ねると、鈴木は「いいよ。ただ、ゴール取れよ」と了承した。「プライドがある2人じゃないし、譲ってもらった」。きっちり左隅に決め、鈴木のお膳立てに結果で答えた。

 落ち着いた性格で周囲と壁をつくらず、誰とでも気さくに話す好青年。「イジッたり、イジられたりかな」。チームメートとは良好な関係を築くロペスは、新天地での日々を楽しんでいる。日本国籍を取得したいと思っているほどの日本好き。ホーム開幕戦に集まった2万2692人のサポーターへあいさつ代わりの大ジャンプとゴールラッシュで、クラブの歴史に名を刻んだ。

 【1戦4発14人目】札幌がJ1リーグではチーム最多タイの5得点で清水に大勝。4得点を挙げたのがMFアンデルソン・ロペス。今季J1初のハットトリックとなった。札幌のハットは02年曽田以来、17年ぶり4人目。1試合4得点は12年の闘莉王(名古屋)以来、J1通算14人目18度目(最多は98年の中山雅史=磐田=ら5得点で4人)、札幌では初。

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