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メッシ不発もクラシコ連勝 バルサの強さは結束力にあり

[ 2019年3月5日 05:30 ]

敵地で連勝したバルセロナ(AP)
Photo By AP

 バルセロナがレアル・マドリードとの伝統の一戦「クラシコ」に敵地で連勝した。2月27日の国王杯準決勝第2戦に3―0で快勝し、2戦合計4―1で決勝に進出。続く2日のリーグ第26節を1―0で制し、首位独走でリーグ連覇へ前進した。現地マドリードで国王杯を観戦し、リーグ戦はWOWOWでゲスト解説を務めた前日本代表監督の西野朗氏(63)がバルサの強さの理由を語った。

 クラシコ前はホーム2連戦となるRマドリード有利と予想していた西野氏。現地で目撃したのは2連勝したバルセロナの点差以上の圧倒ぶりだった。「戦前予想と全く違った。バルサは敵地でレアルを完全に手のひらに乗せたような戦いぶりだった」と振り返った。

 クラシコ歴代最多26得点、今季リーグ最多25得点を挙げているメッシは2戦とも不発だったが「メッシが調子が良くなくても勝てる。それが今バルサが強い証拠かもしれない」と西野氏。もちろん得点以外でもエースの存在感は大きく「メッシがボールを持っていなくても相手を引きつけるので、1人で味方に数的有利な状況をつくれる」と説明する。

 今季のバルセロナがメッシに過度に依存せず勝てる理由について、西野氏は2季目を迎えたバルベルデ監督の柔軟な戦術をチームが着実に実行できることにあるとみる。「攻守に戦術がよく浸透している。4―4―2、4―3―3、4―2―3―1もできる」とした上で「ただし監督と選手の間に高い信頼関係があり、能力の高い選手たちが一丸となって戦っているからこそ、戦術が生きる」とバルサの一体感、結束力を宿敵との対比で強く感じたという。「チームスタイルの差が如実に出た。結束して力を発揮したのがバルサ。個で打開しようとして結果が出なかったのがレアル」と指摘した。

 リーグ戦は3位Rマドリードに勝ち点12差(2位Aマドリードに7差)をつけ、国王杯は史上初の5連覇に王手。「この2戦でレアルがバルサにタイトルを渡した形。2冠は揺るがないと思う。欧州CLに対しても余裕あるシフトを敷けるので、3冠に向けたシナリオを自分たちで描ける」と西野氏。クラシコ連勝によって14〜15年以来3度目の3冠獲得へ大きく前進した。

 ≪レアルに不和?ベール不振響く≫Rマドリードは国王杯で敗退し、リーグ戦も優勝は絶望的。残るは欧州CLのみで、クラシコから中2日の過密日程となる5日にホームでアヤックスと1回戦第2戦を戦う。西野氏が指摘したのはウェールズ代表FWベールの不振。2日のクラシコで公式戦4試合ぶりに先発したが、不発のままブーイングを浴びながら交代し「意欲が感じられなかった。チーム内の個人的な問題が連鎖しているのはプレーを見れば分かる」。地元で報じられている監督、同僚との不和の悪影響が表れていたという。

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2019年3月5日のニュース