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白血病から完全復帰目指すDF早川史哉が池江についてコメント「まずは一人の人間として元気になって」

[ 2019年2月12日 21:39 ]

練習するDF早川
Photo By スポニチ

 急性リンパ性白血病からの完全復帰を目指すサッカーJ2新潟のDF早川史哉(25)が12日、白血病の診断を受けたことを同日公表した競泳女子の池江璃花子(18=ルネサンス)についてコメントを発表した。

 早川は「まずは、池江選手の病状がはっきりしていない現段階では、軽率な発言や憶測で判断し、メディアを通してお話するべきではないと思い、クラブを通じてコメントさせていただきます」と前置きした上で「正直に自分としてはショックを受けていますし、他人事ではなく、自分のことのように感じています。池江選手の気持ちを考えると、言い表す言葉が見当たりません。これからどういう治療、どういう経過をたどっていくのかは分からないですが、競泳選手としての池江さんというより、一人の人間として病気に立ち向かってほしいです」とコメント。

 「選手として活躍されていて、周りの多くの方はどうしても綺麗なドラマのように、復帰して再び活躍する姿を見たいと期待していると思いますが、まずは一人の人間として元気になってくれることを僕は願っています。決して明るく前向きなことばかりでないと思います。池江選手には、周りの信頼できる人たちといろいろな想いを共有して、決して一人で背負いこまず、じっくりと強い気持ちをもって病と戦ってほしいです」と続けた。

 早川は新潟のジュニアユース、ユースとアカデミー(育成部門)で育ち、筑波大を経て2016年に新潟入り。新潟ユース時代の2011年にはU―17ワールドカップ(W杯)メキシコ大会に現日本代表のMF南野拓実(24=ザルツブルク)らとともに出場し、16年の新潟入り後も新人ながら開幕戦の先発メンバーに選ばれフル出場するなど、将来が期待された。

 だが、ベンチ入りしていた同年4月24日の明治安田生命J1リーグ第1ステージ第8節・名古屋戦(パロ瑞穂)後にリンパ節に腫れが見られたため、翌25日に新潟市内の病院を受診。その後の精密検査で急性白血病と判明したことを6月13日に公表して闘病生活に入り、11月に造血幹細胞移植の手術を受けた。

 翌17年1月にクラブは早川の治療を優先するため選手契約を一時凍結することを発表したが、18年11月に一時凍結を解除。今年1月5日に契約を更新し、現在はキャンプにも参加して完全復帰に向けた歩みを進めている。

 自身の体験を受けて「僕自身が力になれることがあれば協力させてもらいたいです。お互いアスリートであり、共に頑張っていきたいとも思います。そして、池江選手のペースで一歩ずつ、じっくりと前に向かって進んで行ってほしいと願うばかりです」とした早川だが、一方で警鐘も。「今、SNSで『早川選手が2年、3年で復帰したから大丈夫』という話を目にしますが、それぞれの病気ですし、病気によってもそれぞれの段階があると思います。誰かと比較せずに池江選手のペースでしっかりと病気と向き合って進んでほしいのが一番の願いです。池江選手に対するリスペクトと思いやりをもって、彼女の戦いに大きな優しさと温かさをもって寄り添ってほしいです」と“お願い”も忘れなかった。

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2019年2月12日のニュース