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止めて決めて勝った!那覇西GK新垣凱 11人決着PK戦で躍動

[ 2018年12月31日 05:30 ]

全国高校サッカー選手権開幕 ( 2018年12月30日    駒沢 )

<駒大高・那覇西>PK戦で駒大高の1人目・斎藤のキックが外れガッツポーズする那覇西GK新垣凱(左は駒大高GK宮崎)(撮影・西海健太郎)
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 平成最後の大会が開幕した。開会式後に行われた開幕戦では、那覇西(沖縄)が駒大高(東京B)と対戦。1―1のままPK戦に突入すると、10―9で制し、沖縄勢では5大会ぶりに初戦を突破した。11人目までもつれ込んだPK戦でGK新垣凱斗(2年)が気迫のストップのあと、自らゴール左上に蹴り込み勝負を決めた。

 超アウェーの雰囲気を新垣凱は楽しんでいた。「これを止めたら俺はヒーローになれる」。1―1で迎えたPK戦。両者譲らず迎えた11人目、対峙(たいじ)したのは相手GK宮崎だ。右に跳びながらも「(コースが)正面っぽかったので足を残した」ととっさの判断で足に当てはじき出した。会場を埋め尽くした地元・駒大高応援団の悲鳴が響いたが、「俺が決めて勝つ」と心は乱れなかった。仲間が固唾(かたず)をのんで見守るなか、右足で左上に蹴り込み、決着をつけた。

 小学3年からサッカーを始めたが、当初はアンカーやセンターバックでプレーした。高身長を買われ、中学2年で初めてGKに挑戦。するとすぐに沖縄県選抜に選出され、父・泰司さんの勧めもあって高校入学を機にGKへと転向を果たした。

 フィールドプレーヤー出身のため足元の技術やキックには自信があるが、飛び出しやポジショニングといったGKとしてのスキルには課題がつきまとった。「まだ本格的にGKを始めて2年。周りに追いついていない部分がある」と現在は週1でFC琉球が主催するGKスクールに通い、猛練習を積んでいる。平安山監督は「新垣は向上心の塊。80分間でやられたと思ったシーンもあったが、失点をせずに耐えてくれた」と称えた。

 FW宮国の値千金の同点ゴールで勢いに乗り、沖縄県勢の初戦突破は5大会ぶり。その立役者となった新垣凱は「一戦一戦を大事に戦って、3年生を決勝の舞台に連れて行けるように頑張りたい」と力を込めた。チームの目標は県勢初のベスト4。そのさらに高みを目指し、那覇西の守護神はゴール前に立ちはだかる。

 ◆新垣 凱斗(あらかき・かいと)2001年(平13)5月26日生まれ、沖縄県那覇市出身の17歳。小禄中出身。小学3年からサッカーを始める。目標の選手はドイツ代表ノイアー、テア・シュテーゲン。家族は両親と弟2人。1メートル75、65キロ。利き足は右。

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