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小笠原の言葉で決断!昌子 仏1部トゥールーズ移籍

[ 2018年12月30日 05:30 ]

トゥールーズ移籍が発表され、取材に応じる鹿島の昌子
Photo By 共同

 鹿島は29日、DF昌子源(26)がフランス1部トゥールーズに移籍することで両クラブが合意したと発表した。移籍金は約300万ユーロ(約3億7800万円)とみられ、21―22シーズンまでの3年半契約。年明けに渡欧し、メディカルチェックの後に正式契約を結ぶ。早ければ13日のストラスブール戦でデビューする。

 海外移籍への背中を押してくれたのは、引退した小笠原主将の言葉だった。「“自分で勝ち取ったオファーだろ”というのが凄く響いた」。11月下旬、チームの食事会で同席に。「心の底からおまえのことは応援している。(引退後に)おまえの試合を見に行きたい」とも言ってくれた。

 転機は今夏。「W杯を経験したのが自分の中では大きかった」。唯一の国内組ながら対人の強さ、的確なカバリングで存在感を発揮。セネガル戦で、現在は同国1部レンヌのFWニャンと対峙(たいじ)した時、「やばい」と痛感したという。アフリカ系の選手が多いフランス移籍への一つの理由となった。

 W杯も欧州でのプレーも未経験の日本人が見せたメンタリティーにトゥールーズが見ほれた。強化担当者が「精神力は並大抵ではない」と昌子の前で熱弁。夏に続き冬にも再オファーを出したばかりか通訳を付ける手厚い待遇を用意した。夏は断った昌子だが「ACLで優勝して鹿島に恩を一つ返せた」ことで決断した。

 W杯決勝トーナメント1回戦のベルギー戦では、電撃カウンターに食らいついたがゴールを止められなかった。「あのカウンターだけじゃなくて、もっと世界を止められる選手になりたい」。そしていつか「より高いレベルに行きたい。理想は欧州CLに出たい」とも願う。身長は1メートル82と世界では小柄なセンターバック。世界を驚かせる挑戦が始まる。

 ▽トゥールーズ フランスのトゥールーズを拠点に1970年に創設された。03―04シーズンから今季まで16季連続で1部に在籍。06―07シーズンには初めて翌年の欧州CL予選の出場権を獲得した。今季は20チーム中13位。

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