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鹿島 安部、レアルの壁破る!自賛ミドルで世界が注目

[ 2018年12月17日 05:30 ]

FIFAクラブW杯・準々決勝   鹿島3―2グアダラハラ ( 2018年12月15日    アルアイン )

<鹿島・グアダラハラ>後半39分、ゴールを決め喜ぶ鹿島・安部(左)と安西(撮影・西尾 大助)
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 アジア王者・鹿島のFW安部裕葵(19)が、世界の注目を浴びた。3―2で逆転勝利した15日のクラブW杯初戦グアダラハラ(メキシコ)戦で、後半39分に美しいチーム3点目をマーク。各国メディアに称賛された。19日(日本時間20日)にはクラブにとって2年ぶりの再戦となる、欧州王者レアル・マドリード(スペイン)と準決勝で対戦。最高峰の舞台で再び世界を驚かせる。

 銀河系軍団の隙も度肝も、安部なら抜けるかもしれない。Rマドリード戦に向けて言った。「もちろん格上。我慢する時間が長いと思うけど、我慢するのは日本で一番得意なチームなので、しっかりみんなで勝利に向かって頑張れればいい」。堂々と意気込んだ。

 主役級の存在感だった。後半開始から入って流れを変えると、39分には弧を描く美しいミドルシュート。「あんな奇麗なゴールは多分、プロに入って初めて。持っていますね」と笑った。イタリアのコリエレ・デロ・スポルト紙は「デルピエロのよう」と元イタリア代表のファンタジスタになぞらえて称賛し、ペルーメディアの「deper.com」は「安部がチバス(相手)の夢を終わらせた」とMVPのように記した。

 準決勝で対戦する銀河系軍団の守備陣はタレントの宝庫。守護神はW杯ロシア大会最優秀GKのベルギー代表クルトワで、最終ラインにはスペイン代表セルヒオラモス、フランス代表バランらがいる。技術と才能は世界屈指だ。

 安部は海外への関心が強く、普段からプレミアリーグを観戦。昨季は7月のスペイン1部セビリアとの親善試合でマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。欧州でのプレー経験が長いDF内田から「(守備時に相手が)突っ込んできてくれる方がプレースタイルやドリブルが生きる」と、国際舞台との相性にも太鼓判を押されている。

 U―19代表でも活躍し、世代の“顔”となりつつあるが「年齢が関係ない職業。世界的に見て、もっとやらなきゃいけない」と言い放つ。クラブにとってレアル戦はあくまで“通過点”で、リベンジはタイトルに対して果たすもの。ただ、19歳にとって、世界にインパクトを与えるにはこの上ない相手だ。

 ◆安部 裕葵(あべ・ひろき)1999年(平11)1月28日生まれ、東京都出身の19歳。元日本代表MF本田がプロデュースするジュニアユースチーム「S.T.FOOTBALL CLUB」出身の初のプロ選手。瀬戸内高(広島)から昨季鹿島入り。今季はJ1で22試合に出場し2得点。ベストヤングプレーヤー賞に輝いた。U―19日本代表。1メートル71、65キロ。

 ▽16年クラブW杯決勝 12月18日、開催国枠で出場の鹿島は欧州代表のRマドリードと対戦した。前半9分にベンゼマに先制ゴールを奪われたものの、柴崎が前半44分に土居の折り返しをトラップして左足で決めて同点。後半7分にも柴崎が相手4人をかわして左足でゴールし、一時は2―1と逆転した。しかし、RマドリードのC・ロナウドに後半15分にPKを決められると、さらに延長前半8分、同14分にも立て続けにゴールを決められてハットトリックを許し、2―4で敗れた。

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2018年12月17日のニュース