浦和、最後に笑った天皇杯V!宇賀神スーパーボレーで仙台撃破

[ 2018年12月10日 05:30 ]

天皇杯決勝   浦和1―0仙台 ( 2018年12月9日    埼玉 )

サポーターと優勝を喜ぶ浦和イレブン(撮影・西海健太郎)
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 浦和が、仙台との決勝を1―0で制し、12大会ぶりの優勝を決めた。前半13分、MF宇賀神友弥(30)が豪快な右足ボレー弾を決め、鉄壁の守備で逃げ切った。4回戦のJ2東京V戦から4戦連続完封での優勝はJリーグ発足後初めてで、浦和の優勝は前身の三菱重工時代を含め7度目。2大会ぶりとなる来季のACL出場権を獲得した。

 赤い稲妻が走った。埼スタの夜空に歓喜が爆発した。前半13分、相手のクリアボールが目の前に落ちて来る。ゴールまで約20メートル。宇賀神に迷いはない。右足一閃(せん)。待望の先制ゴールが突き刺さった。1点取れば、今の浦和なら安全圏だ。局面のバトルを制し、逃げ切った。12大会ぶりの賜杯を手中に収めた。

 ワイドからの得点は新生レッズの真骨頂だ。「練習していた形。自分でも素晴らしいと褒めてあげたい」と宇賀神。オリヴェイラ監督の就任後、両ワイドはシュートの意識を徹底された。先月24日の湘南戦で宇賀神はチーム1位のシュート5本を放った。今季残された唯一のタイトル獲得に向け、その右足がうなりをあげた。

 チームは満身創痍(い)だった。準決勝の鹿島戦で興梠、武藤が足首を負傷。青木の左腕は逆方向に曲がり、脱臼と剥離骨折を併発した。「言いませんでしたけど、ボールを蹴るのもつらかった」。それでも激痛はおくびにも出さなかった。中盤の底に欠かせない、いぶし銀。オリヴェイラ監督は「青木は英雄的な活躍だった」と称えた。

 興梠は左足首痛と闘い、右足首痛を抱える武藤は「試合後ならどれだけ痛くなってもいい」と痛み止めの注射を打ってプレーした。昨年、総工費5億円の新クラブハウスが完成したが、リハビリする部屋の床には90年代のプレハブ時代のものを使用している。先人たちの汗と涙の結晶を忘れぬためだ。リハビリと向き合う選手に赤き魂が生きていた。

 昨季のACLを制しながら序盤は低迷。タイトル獲得を義務とするクラブは4月、強化体制を刷新。かつて黄金期を築いた中村修三GMが8年ぶりに強化トップに就任し、誰より勝利の味を知るオリヴェイラ監督を招へいした。困難とされるシーズン途中からの再建。ターゲットにしたのが天皇杯だった。

 この日を最後に39歳のDF平川が現役生活に別れを告げた。もう、06年リーグ制覇を知る選手は一人もいない。それでも既に来季続投が決定している指揮官は言った。「ワインが熟成されつつある状態。来季は、おいしいピノ・ノワールが味わえるかもしれませんね」。12大会ぶりの天皇杯制覇は、新時代の幕開けを告げていた。

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