×

札幌 過去最高4位!自力CL逃すもクラブ史残る健闘に拍手

[ 2018年12月2日 05:30 ]

明治安田生命J1最終節   札幌2―2広島 ( 2018年12月1日    札幌ド )

<札幌・広島>前半3分、先制ゴールを決めた札幌MFチャナティップ(奥)はジェイに抱きつく
Photo By スポニチ

 痛恨ドローも来季へ夢は広がった。札幌は1日、札幌ドームでの最終節で広島と対戦。今季最多3万4250人大観衆の後押しで2点リードしながら追いつかれ、2―2で引き分けた。ただ、ACL出場は決められなくてもJ1で4位と勝ち点55はクラブ史上最高記録。ペトロヴィッチ監督(61)を迎えた今季、超攻撃的サッカーで大きく躍進した。なお、リーグ戦3位の鹿島が天皇杯優勝すれば、札幌もACL出場が決まる。

 喪失感の漂う札幌ドームが、万雷の拍手に包まれた。最終節で痛恨ドロー。ACL出場は鹿島の天皇杯結果次第となった。でも、今季最多の大観衆はクラブ最高の4位でシーズンを終えた札幌の選手たちを称えずにはいられなかった。

 「この結果は選手とサポーターの頑張りがあったから。札幌が4位で終えたのは成長の証で、J1で大きな勝利だ」。ペトロヴィッチ監督は静かにそう言った。前半3分にMFチャナティップ、同21分はジェイが決めて2―0。ACLはすぐそこにあった。重圧からか、後半に追いつかれてのドロー。それでも、「勝利」に値する4位に拍手はいつまでも鳴り止まなかった。

 確かに札幌は生まれ変わった。9月6日の胆振東部地震も乗り越え、昨季までと真逆の攻撃的なサッカーでファンを魅了。ペトロヴィッチ監督が「私は常に札幌の未来を見ている」と言う通り、若手を育成しながら結果を残した。Jで最も若いチームで戦い、序盤にJ1でのクラブ記録12戦不敗(8勝4分け)。若手を中心に成長し、自信をつけて「ミシャ流」が浸透した。

 その「ミシャ流」の基本となる「戦う」「走る」「規律」を徹底。特にミーティングでは、男のシンボルを指して「“あれ”が付いているのかッ!」と鼓舞。その言葉はTシャツになり、ペトロヴィッチ監督の誕生日会で披露され、戦うことが何よりも重要であることを刷り込んだ。

 守備時のスライドが不満だった時にはFW都倉とMF菅の足を電気コードで結んだこともあった。イタリアの名将アリゴ・サッキ氏が選手同士をひもで結んで戦術を落とし込んだ練習を再現。さらに2部練習で走る距離も昨年までの約8キロから約10キロに増え、ミシャ流の土台となった。

 ペトロヴィッチ監督は言った。「来季は今季を超える結果を残したい」。札幌は、ここから「常勝」の道を歩んでいく。

続きを表示

この記事のフォト

2018年12月2日のニュース