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快勝も…柏J2降格 9年ぶり3度目 クラブの迷走に苦しんだ1年

[ 2018年11月25日 05:30 ]

明治安田生命J1第33節   柏3-0C大阪 ( 2018年11月24日    ヤンマー )

<C大阪・柏>試合終了後、サポーターへ向けて頭を下げる柏イレブン(撮影・後藤 大輝)
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 9試合が行われ、アウェーでC大阪と対戦した柏は3―0で勝利し勝ち点36としたが、残り1試合で16位と4差となり、17位で来季のJ2降格が決まった。9シーズンぶりのJ2となる。勝って勝ち点40とした鳥栖と湘南と名古屋、勝ち点41の横浜と磐田の計5チームが12月1日の最終節で、J1参入プレーオフ回避を懸けて戦うことになった。

 快勝の余韻はすぐさまかき消された。勝ち点4差の湘南、名古屋、鳥栖がそれぞれ勝利。09年以来9年ぶり3度目のJ2降格が決定し、重い足取りでサポーターへとあいさつに向かった。日本代表MF伊東は深々と下げた頭をなかなか上げられなかった。快足アタッカーは「2度の監督交代もあり、チームとしてまとまらないまま戦ってしまった。ここまで追い込まれる前に勝ち点を取っておかなければいけなかった」と悔やんだ。

 昨季は4位と躍進し、念願だったACL出場権を獲得。期待は大きかったが、クラブ全体が迷走した。5月13日、11位を「行き詰まっていた」(滝川龍一郎社長)と判断して下平隆宏監督を解任。プロでの指導者経験のない加藤望ヘッドコーチを後任とした一方、上層部は下平氏を強化部のトップに据えた。ある選手は「責任を取った人が昇格人事なんて明らかにおかしい」と愚痴をこぼし、また他の選手も「どうなっているの、と対戦相手からも指摘された」と首をかしげた。

 さらに今月10日、リーグ残り2試合で自力でのJ1残留がなくなってから指揮官を再び代えた。「何があってもサポートすると上は言っていた」と不満を漏らす関係者もいた。下平氏の解任は拙速で、加藤前監督の場合は遅きに失した感は否めない。

 監督交代で本来の「つなぐサッカー」から一時的に「縦に速いサッカー」を目指し、さらには3バックに変更するなどビジョンの見えない戦いで、選手の長所がかき消されることも多かった。問題点を精査し、しっかりと向き合わない限り、1年でのJ1復帰は難しい。

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