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大分・片野坂監督男泣き 就任3年目で咲かせたJ1昇格の大輪 指揮1年目の16年にJ3優勝

[ 2018年11月17日 17:53 ]

明治安田生命J2最終節   大分1―1山形 ( 2018年11月17日    NDスタ )

J1昇格を決め、サポーターと喜ぶ大分の片野坂監督(右)と選手たち
Photo By 共同

 大分は前節の2位をキープして2013年以来6年ぶりのJ1昇格を決めた。

 松本、大分、町田、横浜FCとJ2史上最多となる4チームが優勝の可能性を残して迎えた山形との最終戦で、前半18分に星のゴールで先制。松本が引き分けに終わったため、そのまま大分が勝てば2002年以来16年ぶりのJ2優勝という可能性もあったが、勝利目前の後半アディショナルタイムに追いつかれて1―1のドローで試合を終えた。

 それでも初優勝を果たした松本の勝ち点が77、わずか1差の勝ち点76に大分、横浜FC、町田の3チームが並ぶという大混戦を得失点差でかわして2位で自動昇格を決めた。

 2008年にJ1主要タイトルのナビスコ杯(現YBCルヴァン杯)を制した実績がありながら、その後深刻な経営難もあって西川周作(現浦和)、森重真人(現FC東京)、金崎夢生(現鳥栖)ら主力選手を大量に放出し、10年からJ2へ降格。J1昇格プレーオフを勝ち抜いて13年にはJ1復帰を果たしたものの1年でJ2へ降格すると、15年にはJ1経験があるチームとして史上初のJ3降格が決まった。

 だが、広島、G大阪のコーチとしてJ1リーグの”個人3連覇”(12、13年が広島、14年がG大阪)した片野坂知宏監督(47)がJ3降格1年目の16年から指揮を執り、1年目でJ3優勝を果たしてJ2復帰。昨季はJ2で9位と健闘し、J2復帰2年目で2位での自動昇格と花を咲かせた。

 試合中、大きな声で指示を出し続けた片野坂監督は男泣きし、声はガラガラ。「本当に大変でした。厳しいリーグでした」とJ2での戦いを振り返り、J3降格からのJ1昇格に「簡単ではないが、簡単ではないという言葉だけでは済まされない皆さんの声援があった」とサポーターや変わらぬ支援を送ってくれたスポンサー、行政に感謝。「皆さんのおかげで達成できた」と感謝した。

 選手に対しても「苦しい時も我慢してついてきてくれた」と感謝。「大分に残っている選手、スタッフお含めて皆のおかげです」とし、チームとして6年ぶりとなる来季のJ1舞台に向け「我々は18位からのスタート。簡単ではないが、どこまでいけるかアグレッシブにやりたい」と意気込んだ。

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2018年11月17日のニュース