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炎の守護神・川口が今季限りで引退 相模原側は現役続行を要望も決意は固く

[ 2018年11月5日 05:30 ]

98年のフランスW杯に出場し、アルゼンチンのシュートに鋭く反応する川口
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 J3相模原の元日本代表GK川口能活(43)は4日、今季限りでの現役引退を発表した。W杯に4度選出され、日本の守護神として国際Aマッチ116戦に出場するなど一時代を築いた。Jリーグでは横浜、磐田、J2岐阜などでもプレー。95年に新人王、06年にベストイレブンに輝くなど数々の栄光に彩られた25年の現役生活に幕を下ろす。14日に相模原市内で引退会見を行う予定だ。

 「炎の守護神」が静かにユニホームを脱ぐ決断を下した。今季は開幕戦先発を果たすも9月の鳥取戦で7失点を喫するとその後は出場機会を失った。相模原側は現役続行を要望したが、決意は固く、この日、クラブを通じ「今季限りで引退することを決めました。とにかく今は感謝の気持ちしかありません」とコメントを発表した。

 記憶にも記録にも残るGKだった。名門・清水商(現清水桜が丘)から横浜へ。96年にはU―23日本代表としてアトランタ五輪に出場。ブラジル戦では28本ものシュートを雨のように浴びながらも無失点に抑え「マイアミの奇跡」の立役者となった。二枚目のルックスもあり、人気、実力とも日本を代表する守護神へと、階段を駆け上がった。

 W杯には日本が初出場した98年フランス大会から4大会連続でメンバー入り。10年南アフリカ大会では主将も務めた。GKとしては小柄ながら鋭い飛び出しと反応を武器とし、ライバルの楢崎正剛とともに一時代を築いた。04年のアジア杯準々決勝ヨルダン戦では、PK戦で決められたら敗退というキックを神懸かり的なセーブで2本も止め、劇的な大会制覇へとつなげた。大舞台でこそ連発した神懸かり的なセーブ。国際Aマッチ出場はGK史上最多の116戦を数える。

 01年にはイングランド2部ポーツマスへ移籍。日本人GKとして初の欧州移籍も果たした。J1通算421戦、J2通算43戦、昨年11月のFC東京U―23戦ではJリーグ通算500戦出場の金字塔。「各クラブに携わる全ての方々、応援してくれるサポーター、両親、家族、サッカー人生で出会い力を頂いた全ての人たち、そして一緒にプレーした先輩方、仲間たちに感謝の気持ちを伝えたいと思います」としている。

 現段階で今後については未定。14日に引退会見を開き、最終節となる2日のホーム鹿児島戦後に引退セレモニーを予定。相模原はアンバサダーなどの就任を要請する準備を進めているという。

 ▽川口 能活(かわぐち・よしかつ)1975年(昭50)8月15日生まれ、静岡県富士市出身の43歳。94年に清水商から横浜M入り。01年にイングランド2部ポーツマスに移籍。デンマークのノアシェランを経て05年に磐田に加入。14年からJ2岐阜、16年からJ3相模原でプレー。W杯には98年から4大会連続で選出。国際Aマッチ116試合出場は日本代表GK最多。1メートル80、77キロ。利き足は右。

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