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森保J、札幌Dの初陣中止 北海道大地震 スポーツ界にも余波

[ 2018年9月7日 05:30 ]

停電の影響で公園で体を動かす槙野ら日本代表イレブン(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 北海道胆振東部地震がスポーツ界にも大きな影響をもたらした。日本サッカー協会は6日、7日に札幌ドームで行われる予定だった日本代表―チリ戦を中止すると発表した。

 地震の余波は想像以上だった。晴れの舞台となるはずだった初陣は中止。それでも森保監督は冷静に受け止めた。「もちろん、試合はやりたい。そのために準備してきた。だが、こればかりは自分たちでコントロールできない」。6日に予定されていた札幌ドームでの会見、公式練習なども停電のため全て中止となった。

 午後4時すぎ。選手は宿泊先周辺を約30分間、ウオーキングして練習を終えた。途中、森保監督は約6分間の円陣を組み、心構えを伝えた。「想定外のことが起きるのは仕方ない。その中で最大限、やっていこう」。同時に地震後もさまざまなサポートをしてくれたホテル職員やスタッフら周囲の方への感謝を忘れぬよう伝えた。これが今、できることの全てだった。

 午前3時8分、札幌市内の選手宿舎は強い揺れに襲われた。低層階に避難し、安全確認とともに約2時間を過ごした。「生まれて初めて感じるくらいの地震」と浅野。槙野はSNSを通じ「避難命令出たぞ…今からホテルのロビーに貴重品だけ持って降りてこいって…」など緊迫の状況を伝えた。道内全域で断水、停電が発生し、信号も消えた。代表選手も眠れぬまま不安な夜を過ごした。

 日本代表戦の中止は11年3月、東日本大震災直後に予定されたモンテネグロ、ニュージーランド戦以来となった。11日のコスタリカ戦(パナS)は開催予定だが、今後の動きは流動的だ。7日も練習予定だが、札幌市内で安全な会場を確保できるかは不透明。8日に予定している大阪への移動も、現時点で可否は不明だ。入場料、放映権料など損害は数億円規模に上る見通し。停電、断水、余震もあり、再び不安な夜を迎えた森保ジャパン。試練の船出となった。

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