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“ガキ大将”吉田麻也 森保J新主将候補が語る理想のリーダー像

[ 2018年8月8日 09:30 ]

笑顔でポーズを決める吉田麻也(撮影・久冨木 修)
Photo By スポニチ

 森保ジャパンの主将候補として期待される日本代表DF吉田麻也(29=サウサンプトン)がインタビューに応じ、理想のリーダー像を語った。10日(日本時間11日)にはイングランド・プレミアリーグも開幕。4年後のW杯カタール大会への思いも胸に新シーズンに臨む。

 日本代表ではW杯ロシア大会敗退後、主将の長谷部が代表を引退した。29歳の吉田は当然、日本代表を引っ張る役割も期待される。過去に影響を受けた主将について尋ねた時、2人の名を挙げた。

 「楢崎(正剛)さん」と「ジョゼ・フォンテ」。前者は名古屋の、後者はサウサンプトンの前主将だ。

 「両極端ですけど、楢崎さんは背中で見せていくタイプで、フォンテは自分が鼓舞してチームを引っ張っていくタイプ」

 09年末に名古屋を離れ、VVVフェンロとサウサンプトンに在籍。欧州で7年半を過ごして感じた。

 「日本においてのキャプテンの価値観とヨーロッパの価値観は若干、違う。日本は学級委員長的な人がなるイメージで、海外は強いキャラクターでチームを引っ張っていけるかどうかが大事になってくる。そういうところは、フォンテからは非常に学ぶことが多かったかなと思いますね」

 ポルトガル代表DFフォンテは、毎回試合前のウオーミングアップ時から周囲を鼓舞し、「何をやらなければいけないか、常々声に出してチームを引っ張っていた」という。

 フォンテを見てきたからこそ、自身はこんな主将像を描く。

 「あまり学級委員長タイプではないので、フォンテのようなキャラクターを出していける、リーダーとしての役割を担っていければいいなと思います」

 集団の先頭に立ち、はっきり方向性を示す。森保ジャパンの主将に吉田が任命された時は、温かくも主張の強い“ガキ大将”のような存在になりそうだ。

 W杯ロシア大会で日本はベルギーを追い詰めたが、惜しくも16強で終戦した。世界との差を詰めるために必要と感じたことがある。

 「経験、じゃないですかね。一人でも多くの選手たちが欧州でプレーして、ビッグクラブ、ビッグネームと日常でプレーする環境に身を置く、そういうインテンシティー(強度)の高さ、プレッシャーの大きさがあるところで成長できるし、そこでの競争に打ち勝っていくことが、日本にプラスにつながっていくんじゃないかなと」

 だからこそW杯後にベルギーのセルクル・ブリュージュに移籍した23歳のDF植田ら若い選手には説いてきた。

 「若いセンターバック(CB)には“なるべく早く海外に行け”という話はしている。サイドバック、ボランチ、サイドウインガーは結構(海外に)いるけど、FW、CB、GKという核となるポジションで世界と戦えている選手が少ない」

 4年後、自身は33歳というベテランの域。

 「個人的には毎年が勝負。サウサンプトンでの競争、そしてリーグでの競争に打ち勝っていかなければキャリアはそこで終わってしまう。コンスタントに試合に出られるような活躍をしたい」

 DAZNで視聴可能なプレミアリーグは10日に開幕する。吉田は12日のバーンリー戦がカタールへの号砲だ。

 ◆吉田 麻也(よしだ・まや)1988年(昭63)8月24日生まれ、長崎県出身の29歳。名古屋U―18から07年にトップ昇格。10年1月にVVVフェンロ(オランダ)、12年8月にサウサンプトン(イングランド)へ移籍。A代表デビューは09年12月21日のアジア杯最終予選イエメン戦で、初めて試合開始から主将マークを巻いたのは17年3月23日のW杯アジア最終予選UAE戦。国際Aマッチ通算85試合10得点。1メートル89、85キロ。

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2018年8月8日のニュース